海辺から半歩下がって綴る《ドラマ・映画の話》

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複雑系アクションアニメーション「進撃の巨人」完結!

流行ってから10年たっても深いなあ

人に勧められて、結構はまってアニメ版をみていたのは何年前だったかな。でもそのときのシーズンが結局最後じゃなかったんですよね。なので、ラストどうなったのか気になっていました。

テレビアニメの各シーズンの放送を振り返ると、

・シーズン1 2013年4~9月 

・シーズン2 2017年4~6月

・シーズン3のパート1 2018年7~10月

・シーズン3のパート2 2019年4~6月、

・「The Final Season」のパート1 2020年12月~2021年3月

・「The Final Season」のパート2が2022年1~4月

・完結編の前編 2023年3月

となっており、途中のシーズンは見られなかったりもしていて、もはやどこが見れていなくて、見ていない間にどんな設定が明らかになり、だれが裏切ったのかとか、エレンがどんな能力を持っている状態なのかなど追えてないかもしれません。

そんな中、2023年11月4日に「完結編の後編」が放送されたのです!

どこかを見ていなかったとしても、まあ、そこまでのだいだいを理解して、ついていくしかないと思っています。見るっきゃない。

細かいところはおいておいても、普段テレビアニメなんか見ないという人にも、面白い。以下のような魅力があるアニメーションです。

世界史的な面白さ

世界史を学んでいく中で、戦争の歴史を追っていくと、どちらかの勝利は、どちらかの敗北で、どちらから見るかで「正義」が違うじゃないですか。そういうそれぞれの正義がぶつかり合っているということを、「進撃の巨人」は描いていますよね。

それで、主人公エレン達は自国の立場から信念を抱いて、命を懸けて戦い続けるんですよね…。「心臓を捧げよ」というセリフとか、「捧げよ、捧げよ、心臓を捧げよ」などの主題歌の歌詞などもあって、戦争を肯定していると受け取れられかねない面もあるかもしれませんが…戦争を仕掛けているのは誰なのかなど全体の構図を俯瞰して見せて「そんなふうに争うことはよくないよ」ということを描いているという意見が多いのではないでしょうか。

物語の骨格はおさななじみ

タイトルにあるように「巨人」は出てきますし、巨人の物語でもありますが、巨人も多種多様にいる世界なのです。筋肉が筋張ったあの姿の巨人だけではないし、あの姿の巨人は「進撃」の巨人じゃないんですよね…。(初心者が間違うようなタイトル&メインビジュアルだっただけに)

では誰の物語なのかといえば、やはりエレンの物語です。壁に守られた世界に平和に暮らしていたエレン達が子供のころ、壁より大きい巨人の襲来を受けて、町は壊滅して、人々も多数なくなって…大変な思いをするところが物語の初めにあり、成長してから壁の外へ世界を探索しに行き、巨人を倒す調査兵団になっていくっていうのが物語のとっかかりです。

序盤に信じていた世界を覆すような大どんでん返しの設定などが次々に明らかになる「進撃の巨人」の物語ですが、子どものころからの幼馴染み、エレンとアルミン、ミカサのつながりがベースにあって、それがあるから見続けてしまいます。

立体起動装置の空中アクション

複雑すぎる内容のため漫画では挫折してしまう人も、すばらしい仕上がりのアニメーションのおかげで、楽しめるわけですが、その出色の場面といえば、立体起動を使ってのアクションシーンです。

立体起動は、人類が巨人と戦う上で欠かせない装置です。コンパクトでありながらパワーがあります。ロープを放ってリールを巻き上げる力やガスの噴射を使って、空中で自由自在に飛び回ることを可能にする装置です。調査兵団は馬にも乗りますし、武道も達者ですが、いざ巨人と戦うとなったら、「立体起動装置」を使いこなして縦横無尽に飛び回るんですよ。

この立体起動戦において調査兵団みんなものすごく強いんですけれども、なかでも抜きんでた兵士といえば、リヴァイ・アッカーマンとミカサ・アッカーマンです。

二人とも黒髪のショートヘアで…クールなんです。アッカーマン一族ってすごすぎる。

リヴァイは男性で、ミカサは女子ですが、ふたりとも半端ないって。とくにリヴァイは戦術などはエルヴィン(調査兵団の長)などにまかせて、対巨人戦で異次元の強さを誇るんです。

かつて元NHK女子アナウンサー近江さんが、このリヴァイが好きすぎて同じ髪型にしてもらったとかでショートヘアで番組を司会していたことがありました。それくらいファンがいるキャラクターだということ。

そういうキャラクターの誰押し?という観点からも楽しめる作品です。

民族のDNAとか王家の血筋とか

科学的な話というかSF的な要素というかもこの話の魅力ですよね。巨人になれる遺伝子を持つものがいて、その能力を継承させることが大切だとか、そんなものを継承させてはならないとか、そのあたりも織り込まれています。

巨人には、あまり大きくなく、知性をもたない多数の一般巨人(無垢の巨人)とけっこう大きくて特別な能力や知性がある巨人がいるんです。(詳しくはだんだんわかってくるわけですが)特殊な巨人は9種類いるらしく、9つの能力を分割して1つずつ持っているようですが、いろいろな条件があるらしいけど、一人でいくつもの能力を併せ持つこともできるとか…複雑な設定があり、それを知ってる国もあれば、知らない国もあるなどいろいろあるんだけど(正しく言えなくて申し訳ない)、その巨人になる体質っていうのがね、さまざまな悲劇を生んでしまうんですよ。

とにかく何百年も前から人類にはいろいろ巨人の能力を巡って戦いが繰り広げられてきたっていうのがあったのだけれども、エレン達は知らなかったっていうのがある。

でもエレン達はそういう遺伝子のある民族なんです。で、エレンは理解していなかったけれど、子どものころにお父さんに巨人化することを可能にする成分のなにかを引き継ぎされてるので、巨人との闘いの最中に、覚醒して巨人化する。

あと、王家の人が受け継いでいる特別な巨人のDNAもある。

すごく印象に残っているのは、巨人になれる民族の人に何らかの成分をあたえ、「〇〇の巨人」が覚醒させるとその民族の人間が一気に巨人化するという感じのところ。条件いろいろあるんですけど、たしかそんなこともありましたよ。恐ろしい。

それでもって、巨人になったときからの寿命が13年とかけっこう短くて…。

そのことも巨人の能力の継承問題であったり、エレン自身がこれから世の中をどうしていきたいか、13年の間にどう実行するかなどに大きく影響してくるわけで…。

新事実がいろいろ明らかになるなか、エレンはエレンなりに、よいことをしようとしているっていうのがあるんです。だから、理解できないことも途中あるけど、最後はきっと……と思うんですよね。

最終回は!

涙なくして見られない…かもしれませんね。

恐怖の「地ならし」という段階に入ってからの続きで、エレンが自分を追い込んでとんだ無茶なことをミカサやアルミンほか仲間たちに強いている感じのところからですよ。

人類と巨人の最終決戦というようなところだったはず。文明批判なのですかね。そういう意味では「風の谷のナウシカ」に通じているような部分も大いに感じます。あちらは火の七日間と言ってましたが。

いずれにしても超ロング大作がついに完結。感慨深いですし、内容も深いですし、飛ばしたところをちゃんと見てから見た方がいいかもしれませんし、いろいろ考えさせられるであろうと推測していますが、まずはアニメーションスタッフの皆さんお疲れさまでした!

数々の登場人物たちに思いをはせて味わいたいと思います。