海辺から半歩下がって綴る《ドラマ・映画の話》

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解散間近「和牛」〜記憶され記録に残る漫才師〜

お笑いコンビ「和牛」の解散のニュース

2023年12月12日、お笑いコンビ「和牛」が2024年3月末に解散すると発表されました。

M1グランプリという漫才の頂上決戦を謳ったコンテストに、2015年~19年まで5年連続で決勝出場を果たし、3年連続2位という惜しすぎる記録を持つコンビです。

2016年~18年、惜しくもM1で2位だったのは、今回の解散にも影響したのではないでしょうか。

面白かったのに、なぜ2位なのか!と視聴者目線で納得いかなかった年もありました。そのとき、M1放送の翌日の新聞広告の1面全面に「2位でもすごい」という感じの「和牛」を称える広告が出たこともあったと記憶しています。(スポンサーだったのは日清?)それが世間で受け入れられるくらい「和牛」の健闘は認知されていましたね。

ほかにも解散する芸人さんのニュースを耳にすることはありますが、2023年、「和牛」の解散のニュースは特別にショックが大きかった…。

ならもっと劇場に足を運んで、直接「面白いよ!」と伝えるとか、行動すればよかったよね…と言われそう。そこまでの「推し活動」をしてこなかったのに、残念がってもね…とか言われそう。でも、やはり寂しい。

和牛の魅力

「和牛」の魅力は、川西賢志郎さんのシャキシャキしたまっとうさと水田信二さんの人をイラつかせるキャラの掛け合わせだなあと思います。

流れるような川西さんのしゃべり方って、本当に本当に聞きやすいですし、いちいちむかつく水田さんの言葉のチョイスなども外さない。

辛抱強い川西さんが最後「やってられるか~」となるまでも面白いし、「爆発」してくれると「いいね!」とすっきりするし…見終わって、心に残る面白さを感じるのです。ただあほらしいとか、ただ一発ギャグがあるというんではなく…。

面白い漫才師であるということは、間違いなく、その事実は私の記憶から消えません。

「お笑いの本屋大賞」がもしあれば…

M1グランプリで、優勝を逃したコンビは多くても、3回も2位だったというのは他になく、それはまじめに受け止めてしまうとかなりつらいことなのでは…と想像されます。水田さんより川西さんの方にそのつらさがのしかかっていたのでしょう。(解散公式発表の文面から想像)

優勝してバラエティの冠番組をもったり、ひな壇にひっぱりだこになったとて、それはそれ。最終的には「和牛」はずっと漫才師として舞台に立ち続けたでしょうから、今のように準優勝であったことと大きな差はないのだろうと勝手に思っていたのです。

なんて鈍感な視聴者でしょうか…。

同じことではないです。同じではない。

だからこそですね、直木賞じゃなくっても本屋大賞があるように、お笑いファンの感覚に近い「お笑い番組スタッフ・メディアのお笑い担当」が「もっとも売りたい漫才師におくるお笑いスタッフ大賞」がもしあったとしたら、「あの年の優勝は和牛だった」と言ってあげたいです。(意味あるかわかりませんが)

それで、「THE MANZAI」などの「ネタを見せる番組」に「お笑いスタッフ大賞」受賞者は出るというふうにしてくれたらね…。

お笑いの賞レースというものはどうしても満場一致にはならないという部分がありますよね。なんというかその場の勢いで、審査員がつい高得点を入れてしまったというような。なんであのとき〇〇が優勝したの?そんなに良かったっけ?という回もあると思うんですよね。そのことが、出場者の運命を分けてしまうというような…?

とはいえ、賞レースで優勝した組は、どうなのかと言えば、例えば、「キングオブコント」というコントの面白さを競う番組ではそれこそ優勝経験があっても、その後人気沸騰ということでもなく、続けられずに解散するという例は多くあるようです。

漫才の大会「M1グランプリ」の優勝者は息長く活動されているようです。でも、優勝せずとも売れている芸人も多数いますね。おそらく面白い漫才をする能力が高い組が必ずしもTVで使いやすいとも限らないという部分もあるのでしょう。売れるというのが「TVに出る」「CMに出る」「冠番組をメディアで持つ」などを意味するのであれば、ですけれども。

ありがとう「和牛」

川西さんは今時点で漫才についてはやりつくしたという気持ちだそうです(という報道をどこかで読みました)が、水田さんはまた別のコンビでやる気もあるそうですね(それも面白いかもです)。ピンでも個性を生かしてTV出演などは続けていただきたいな、と思いますし、漫才に定年なんてないですし、70歳、80歳になっても舞台に立てる職業だと思っています。超高齢化社会なんですから、いくつになってもいいので、またやりたくなったら、川西さんも漫才の舞台に帰ってきてくれたらなあと、また勝手なことをいち視聴者は言うわけですが…。

「和牛」のお二人、今まですばらしい笑いをありがとうございました。