海辺から半歩下がって綴る《ドラマ・映画の話》

海辺でのんびりするのも、本もドラマも映画も好き!つまらなくても、面白くても、見たままログ。

最終回放送終了で「ふてほど」ロス! 「不適切にもほどがある!」6~10話・各話の感想

6話で純子が令和にやってきた!

可愛い子には旅をさせよって言うけどさ、「純子は未来に行かせよ」ですね。6話で未来に行ったことにより、すごく成長しました。なんで未来に行くことになったかというと…。

まず、小川市郎(阿部サダヲ)がいったん過去に帰ってきたんだけど、「本当に未来に行ってきたのか」って純子も(河合優実)不審に思いますよね。吉田羊演じる、社会学者の向坂サカエからお父さんがどこに行っているかを前回一応聞いてはいたんですが、お母さんを早くになくしている純子を何カ月も放っておくっていうのはね…。何?って思うよね。サカエとその息子キヨシが、純子の家に居候しているため、独りぼっちではないけれど。

純子が眠ったあと、小川先生はサカエに「純子があと9年後に死んでしまう。それを本人には言えない」って打ち明けるんですよ。サカエもそれはそうだと思い、心を痛めている。小川先生は土曜日の15:55のバスに純子も一緒に乗ろうと誘う。

「え?それって(未来に行くってことだけど?)」と戸惑うサカエ。でも、純子が生きられない38年後の世界なんだと思ったんだろうね、「純子ちゃん、行ってきなさい」と応援してくれる。

ついに、純子も都バスで未来へGO!それで、あんまり変化のない「喫茶店すきゃんだる」に全くムッチ先輩と同じ顔の秋津くん(磯村隼人)が現れるもんで、昭和じゃんってな感じではあるんだけど…。

そこで、未来のダンナ(古田新太)と娘の渚(仲里依紗)に紹介される。古田新太は相変わらず泣いてるわけなんですが、当然どういう関係なのかは伝えない。お父さんが未来でお世話になっている渚とその父親という感じで。純子は、渚のことを市郎が好きな人だと思ってるんだけど、ほんとは純子の娘なの。渚はバレないように気丈にふるまってる。えらい。

市郎の職場見学ということでテレビ局を案内してくれたり、服を買ってくれたり、ほんとにできなかった親孝行をここぞとばかりにやってくれるんですよね。渚、いい子だわ。

純子は、クイズ番組に出た市郎が、未来の世界を知らないせいで笑われるのを見て、怒りでみんなに「笑っていいのは娘の私だけ」と啖呵を切るんです。こっちも親孝行な娘です。

6話は、ちょっとしんみりさせてきた展開ですね。

髪を切った純子にラブストーリーが突然に!の7話

純子ちゃん、髪を切ってあか抜けた~。その髪を切ってくれた美容師(岡田将生)と江の島デート!未来でスケバンが絶滅していたので、純子は一気に方向転換。志望大学はいきなり「青学」という展開…相変わらず気の抜けないストーリー運びですね。

そこへテレビ局のドラマ担当の羽村(渚の同僚・演じているのはファーストサマーウイカ)のシナリオ作家(エモいドラマを書かせたらぴか一の大御所・演じているのは池田成志)とのやりとりも重なって、7話は「ラブストーリー」回ですね。

昭和で、サカエも市郎の同僚教師・安森(中島歩)に告白されていい感じですし。

にしてもこの中島歩さん、第1回から醸し出す昭和の先生感にどこで見つけた逸材なのだろうと思っていましたが、回をますごとに安森先生いいですよ。サラダが好きで、レディファーストが板についていて、めっちゃ背も高くて、手足も長くて、吉田羊と似合う。

次の都バスの出るタイミングで、純子は昭和に帰るんだけど、女子大生になって遊ぶという不純な動機ではあるけれども、目的ができて勉強するようになり、よかったんじゃないでしょうか。

8話でムッチ先輩も令和に! 秋津君との遭遇!

呼ばれてないのに令和に現れたムッチ先輩。あまりタイムマシンの存在を知られたくない井上氏(小川先生の教え子であり、タイムマシンの開発者)が、嘘を吹き込んだため、そっくりの秋津君(一人二役)が自分の息子だとは思わず、ドッペルゲンガーだと思いこむなど、どのように令和を理解したのか…。

それよりも今回の主役って栗田(山本耕二)ではないですか?プロデューサーからリスクマネジメント部長に昇進して、「不適切」なものを放送から排除することが仕事になってました。不倫不祥事で表舞台から消えた局アナ倉持(男性です)にいつ画面に出られるのか…と相談を受けた市郎、渚ちゃんと一緒に栗田に出られるように交渉するも、「不倫した事実は一生消えない」とかものすごくネガティヴでした。

その理由は栗田の家庭にあったんです。

栗田家の夕食会に呼ばれて、倉持アナとともに参加した市郎。奥さんと奥さんの友人二人とそのダンナに紹介されるのだが、食事が進むにつれ、妙な雰囲気に…。奥さんの友人二人が、栗田の17年前の不倫を蒸し返してつるし上げ。こわ~。山本耕二のひたすら低姿勢の笑顔が痛い。友人たちが「私たちは許しません!」と糾弾。友人の夫までもが同調し「謝って」と強要。不倫相手が奥さんの幼なじみだったっていうことで、その幼なじみの女性も家政婦扱い。

確かに不倫はよくないけれども、倉持アナも市郎もドン引き。勝ち誇ったような奥さんの友人たちに「あんたら関係ないじゃん!」って。

倉持アナは世間の厳しさを知り、それでも奥さん(許してくれた)とともに、叩かれるのを覚悟して、お料理コーナーに出るのでした。

そして、今回のゲストは豪華!喫茶「すきゃんだる」のお客さんとして小泉今日子さんが登場しました。昭和に帰る前に会えたムッチ先輩良かったね~。

9話でサカエ、バック  トゥ ザ フューチャー

昭和ですっかり「金妻」にはまり、安森先生と恋愛モードになってしまったサカエさんですが、タイムマシン事業が資金難になり、井上氏(言い忘れたけど、サカエさんの元ダンナ。離婚している)から未来に呼び出されたのでした。

そして、未来で行き違いになったムッチ先輩は、昭和に帰って、進化している純子に告白したのですが、フラれた。「フラれてバンザイ」ってマッチも歌ってるじゃないですか、頑張れ。

未来では、井上が「もうタイムマシンは出せません」という。燃料費が1回で数百万もかかるので、このままでは、市郎が未来、キヨシが昭和に残ったままになってしまう!

そんなさなかに、渚ちゃんが後輩から「マタハラ」で訴えられ1か月の休職を命じられてしまう。

ここで感動的だったのは、古田新太のミュージカルシーンでしたね。病気の身体なのに、渚のために、往年の名作ミュージカル「コーラスライン」の「ONE」をモチーフにした曲を踊りながら「渚はパワハラしていない」と歌い上げました。団地のゴミ捨て場前がブロードウェイになりましたよ。シルクハットが見えました!

一方で、秋津君もアプリで出会った彼女にふられてしまう。彼女の言ってる意味が全然分からなかったんだけど、とにかくフラれてしまったんですよね。

こんなところにいるはずもない的な失恋ソングをリクエストする秋津。山崎まさよしを歌ってあげる市郎。いいな…この感じ。

そして、倉庫に1回分の燃料が残っていることが分かり、市郎は無事に昭和に帰れることになりました。

最後のタイムトラベルの一往復に、市郎は渚を誘います。謹慎中でかわいそうに思ったんだと思います。(そんなに気軽にタイムトラベルに誘っていいの?というのはありますが)果たして最終回どうなるのでしょうか!

最終回 続編あるかも? すきゃんだるの穴の伏線回収!

祖父・市郎とともに昭和に降り立った渚。そのあとなぞの二人組も降りました。(テーマソング「二度寝」を歌うCreepy Nutsですけど)

渚は、昭和の「すきゃんだる」のナポリタンの美味しさにびっくり。「マスターやればできるじゃん」と言う。昭和の秋津君、ことムッチ先輩にも会えました。

そして、キヨシもついに令和に帰ることに。渚と一緒に最後のタイムマシンバスに乗っていきます。このあと市郎と純子に訪れる災難を思えば、これが大人の渚に会うのは最後なんだという思いがあふれて止まらないわけですが、無事二人は未来へと帰っていきました。

ただし、あの二人は乗り遅れましたが…。

市郎は昭和の教師の世界で、昔は耐えられたハラスメント的なことに耐えられなくなってしまっている。もともと相性のよくない教頭(宍戸開)の発言にモヤモヤ。野球部の指導でも地獄のオガワを卒業して、もはや仏のオガワに。

「どうしちゃったんだろう」という小川先生に、電話でつながっているサカエ(小川先生の代わりにテレビ局のカウンセラーになった)に「アップデートしたんでしょうね」と言われる。教頭が校長になって、小川先生は、教頭に。

渚は仕事に復帰してまあなんとかやっている模様。マッチングアプリが秋津を妙に推薦してくるので、なんだかんだで二人はつきあってみることに。

キヨシは未来で、不登校だった同級生のサコウ君に再会する。大人になったサコウくんは実業家として大成功しており、昔一緒にゲームで遊んでくれて、学校に戻りやすくしてくれたキヨシに恩返しがしたいという。キヨシは、父のタイムマシンに出資することを依頼する。

昭和の中学校の卒業式、小川先生が、未来の音楽を卒業生にプレゼント。歌と演奏は、未来に帰りそびれたCreepy Nutsの二人!

いいよね~音楽の人々も出演するって。

受験生だった純子の部屋には「メンズノンノ」の阿部寛のポスターが!爽やかです。超イケメン。

そして晴れて大学生になった純子に、やはり市郎はその先の未来についてはなにも言えずにいます。自分の寿命についても知ってしまったのだから、そこはかとなく寂しそう。スキャンダルでお茶していると、トイレから変な音が。ドアを開けてみると、おじいさんになった井上君が、キョンキョンの「木枯らしに抱かれて」のポスターの裏の壁の穴から顔を出して言うのです。「先生!やっと会えた!2054年からタイムトンネルを発見しました。さあ、穴から好きな時代に行きましょう」というのです。

行くのか小川先生。行くんだ~??

つまり、続編ありってことなんですよね?市郎はこのまま自分の最期の日をただ待つわけではないんですよね?「ふてほど」ロスに耐えて楽しみに待っています!楽しいドラマをありがとうございました。

 

宮藤官九郎×阿部サダヲ ドラマ「不適切にもほどがある!」第5話までの感想

期待を超えてきた宮藤官九郎ドラマに注目!

コロナが社会に打撃を与えて数年たち、昭和も本当に遠くなった気がする今日この頃。毎週の放送を楽しみにするドラマがあるって素晴らしいですね。

2024年1月期はTBS金曜22時からの「不適切にもほどがある!」がダントツにパワフルで目が離せない。

主演は阿部サダヲさん。脚本は宮藤官九郎さん。プロデューサーは磯山晶さん。

家族愛・人間愛に満ちた小川市郎(阿部サダヲ)のドラマでありつつ、38年前の1986年頃の昭和と今(令和6)をタイムスリップして行き来してしまう展開の中で、文化を比較しつつ、SF的な面白さを加味した、クドカンの切れ味のいいギャグも健在の濃い~ドラマです。

このドラマ、決して昔がよかったと言いたいわけではなく、けれども、昔がすべてよくなかったわけじゃない、というスタンスなのだと思います。今も、メンタル不調の人が多いし、子どもたちのいじめなどの問題・課題は数多くあります。私たちが見失っているものがなんなのか?を追っていき、小川市郎が時間を飛び越えて、人が幸せになるってどういうことなのかを問う、そういうことなのでは…と思います。

第1話で引き込まれる 昭和ワールドの洗礼 (ここからネタバレ)

1986年を感じさせる数々のシーン。懐かしくてほほえましい部分もありましたが、今だったら「不適切」な言動の数々も多めに描写されており、ひいてしまう人もいたかも。真っ赤な口紅で登校する主人公の高校生の娘・純子河合優実)。聖子ちゃんカット(もしくは中森明菜っぽい?)に長いスカートであばずれという設定。かつての不良少女は、こんなに真っ赤な口紅で、学校行ってたの?本当に?というインパクトは結構あります。

中学の体育教師である父・小川市郎は、野球部顧問。生活指導の担当でもあり、「地獄のオザワ」とも言われているのですが、自分の娘・純子は優等生ではないっていうところも、笑えるポイント。(純子なりの理由があったわけですが)幼いころに母を亡くした純子を男手ひとつで育てているだけに、「ブスだな~」と言いながらも愛にあふれている感じですね。

野球部での指導も、厳しいというか手荒な感じ。当然たばこを吸うし、たばこを吸うシーンも多数あります。実際、教員室にも灰皿ありましたし、喫煙は普通でした。

一方高校生活を楽しんでいる純子が友達3人と商店街を歩く姿は、「スケバン」そのもの。とはいえ周囲をにらみつけるという感じはないんだけど。

純子があこがれているムッチ先輩(磯村勇人)が単車で登場するシーンも見どころでした。とにかくすべてにおいて近藤真彦(愛称:マッチ)の影響を受けまくっているムッチ先輩。セリフのほとんどマッチの曲の歌詞というキャラで笑わせてくれる。

未来に行ったときの反応がリアル

そんな小川先生が、いつものようにバスで帰宅途中に、突然未来に行ってしまう…。バスの中で煙草吸っているのを、他の乗客から奇異なものを見る目で見られ…何?と、逆に乗客をよく見ると周囲の方が「変」なわけで。「耳からうどん垂らしてるの何?」「みんなが持ってるツルツルした四角いの何?」ってなるのはまさに!でしたね。

違和感ありつつも普通にバス停を降りて、そのまま普通に家に帰ろうとするわけですが、「スカイツリー」にはさすがにぎょっとしてましたよね~。

コンビニのたばこも高くなっていて(190円が520円に)、いろいろ変だとは思っているんですが、行きつけの喫茶店が健在だったおかげで、迷わずそこに立ち寄り、ほっとしたのもつかの間、少年ジャンプの背表紙に「2024」とあるし、知らない漫画ばっかりだし、「は?」となる。

そこで子連れの女性(仲里依紗)のコップについだばかりのビールを勝手に飲み、キレられる。「ごめん」おごるから…と言って、いったんトイレに入って壁の小泉今日子さんのポスターをめくったら、過去に戻れたっていう…。

情報量が多い。セリフが面白い。違和感の感じ方が面白すぎる。

話し合いましょう~♪ あぶりしめ鯖♫

未来の行きつけの喫茶店「すきゃんだる」で一瞬出会った、女性(仲里依紗)が気になって、今度は意図的に未来へのバスに乗った小川先生。

居酒屋でタブレット注文に四苦八苦。頼みたいレモンサワーが来ないのに、あぶりしめ鯖ばかりが猫ロボに運び込まれてしまう。

隣の席でサラリーマンの秋津くん(磯村勇人・一人二役)が上司2人に「後輩からハラスメントで苦情が来ている」と言われている。それを小耳にはさんで「がんばれって言ったらいけないの?」と話しに割り込んでいく小川。上司二人には「関係ないのに入ってこないで」と言われるのだが、「こんな未来のために俺たち頑張ってるわけじゃない。メンタムかなんかしれないけど」という小川。

タブレットを秋津が確認するとなんと「あぶりしめ鯖は200個」注文されていた…。(爆笑)

そして話し合いを打ち切ろうとする上司に…秋津は突如歌い出す。「話し合いましょう~♪ たとえ分かりあえなくても~」と。磯村さん、声がいい!ミュージカルがここで!?と笑ってしまう。

妙に息が合っている秋津と小川。女性上司も「今年で入社13年目、メンタルとっくに死んでます~」と歌にはいってくるし…。

ハラスメントで訴えていた後輩も居酒屋にやってきて、「叱ってほしかったんです~」とディズニープリンセスのように歌い上げ、居酒屋はミュージカルのステージになったのです。新鮮でした。

そして2話から5話・・・ネタバレあり

どういう方向に進むのか、だんだん見えてくる感じで、目が離せません。

38年後も生き残っている喫茶店「すきゃんだる」が、過去への回路を持っているのがポイントですよね。そこでバイトを始めた渚と小川は再会します。忘れたスマホを渡そうと小川を追って、秋津もすきゃんだるへやって来て。何かと憩いの場として大活躍なスポット。

渚(仲里依紗)が、小川にビールを飲まれたことがショックで、産休が明けてテレビ局の仕事に復帰したものの、無理が重なって限界にあった心がおれ、辞表も出して、夫と別れることになったと聞いて、責任を感じる小川。

というか小川は渚に一目ぼれしているし、勝手に「なぎさっち」と呼んでいるんですが、退職手続きのため職場にいる渚からSOSがあり、小川先生は、渚を助けようとテレビ局まで出かけ、なぎさっちのために、昭和の人間として意見を言ったことが気に入られ、「地獄のオザワ」としてテレビ局のカウンセラーの職につく。渚も辞表を取り下げ、仕事に復帰する。

第2話で、悪者になってしまった渚の元ダンナは、フリージャーナリストの谷口龍介。演じたのは、柿澤勇人さん。渚の職場で繰り広げられたミュージカルシーンでの歌も踊りも素晴らしいと思ったら、劇団四季出身の人でした。

過去に残してきた純子には、未来から過去へ向かったキヨシ(純子に一目ぼれしている中学生)とその母・向坂サカエ(吉田羊)が同居し面倒をみることになり、キヨシのスマホを過去から持ってきていた小川先生とサカエは、スマホを介して連絡も取れるようになった。

キヨシは令和から昭和に行って、やたら元気になったようです。令和では不登校だったのに、短ランボンタンに制服をアレンジし、毎日中学に登校。若者は順応が早いですね。坂元愛登という役者が演じています。

妙に小川先生と渚が心惹かれあってしまう理由は、だんだんと明らかになります。ムッチ先輩は秋津くんのお父さんだったことが早めに分かるわけですが。(一人二役ですしね)

また3話でキヨシの父と令和で出会う小川先生。なんとキヨシの父は、教え子の井上くんだったわけで…。井上氏は、小川先生の一言で、タイムマシンを開発することを志して、成功させたのだというわけだったのです。

井上氏はタイムパラドクスを避けるため、誰かの存在を脅かすような未来人と過去人の関わりあいには「ビリビリ~!!」となると教えてくれる。

まさに渚と小川先生が接近すると「ビリビリ~!!」となることから、渚は何かを察知し、「父と会ってください」と小川先生に宣言。

そして4話の最期に現れたのが…古田新太。渚の父親役が古田新太さん。なぜか泣いていて…。

5話で渚の父親についてはいろいろ分かってきます。若いころはディスコの黒服だったそうで。その時代の父親は、錦戸亮が演じ、ダンスシーンはお手のものという感じですが、今でも踊れる!と新太さんが踊るんで、そこでも爆笑してしまいました。

今は、テイラー(仕立屋)なわけですが、いろいろ事情が分かってくると、「小川さんって私の○○なんです」ってなぎさっちが伝えるってことだよね!「それで現代の純子はどこに?」問題に発展するわけですが…そこはつらい話になるので、見ていただきたい。

テレビ局のお仕事 今・昔

テレビドラマでテレビの場面が出てくると、詳しく知っているから、制作するための苦労が少ないのだろうと思ったりします。また、今のテレビにはないものが昔はテレビ放送されていたということを宮藤官九郎は強く言いたいのかなあと思います。

情報番組担当の渚ですが、番組のメインMCの不倫スキャンダルで収録がてんやわんやになる第3話。代打に立った八嶋智人さん(本人役)と総合演出役の山本耕二さんのやりとりなどはテレビを知っているだけにリアルなんでしょう。

一方で、昭和に戻った小川先生、純子が深夜のお色気番組に出場するっていうので、保護者として、ズッキー(秋山竜次)というケーシー高峰さんを彷彿させる医者のコスプレ?をした人気司会者の番組観覧をする。ズッキーさんのセクハラ行動が止まらないので、小川先生はイライラ。(令和に行ってしまって、向こうの価値観に染まったのだろうかと自分でも驚いている小川先生)

しかし、収録中に熱中症のような症状で倒れる純子にズッキーさんは、見事に紳士的に対応するという場面もあって、みんなちゃんと「仕事としてやっている」という描き方でした。

4話でも、テレビ収録の場面がありましたね。ラブシーンに関して、タレントの希望にそった演出を調整する係の人(インティマシーコーディネーター)なども出てきていました。さすがテレビのことは詳しい。

あと…カウンセラー室の「地獄のオガワ」にみんなが相談しにくるシーンは毎回面白いです。「ドラマのタイトルのジェンダー問題」とか。今だったら「男女七人夏物語」⇒「人間七人夏物語」でないととか…いやいや七人ってあったら人間じゃない?

6話からも楽しみです

いよいよ純子も未来へやってくるとのことで…。

タイムマシーンが気がるに使われていくのでしょうか。タイムパラドクスが起こってしまわないだろうか?などと心配しています。

未来を知ってしまったのに、それでも過去を今までと同じ熱量で生きることができるのだろうかとか、考えます。

昭和と令和の文化比較はいったんおさまって、SF色が強くなっていきそう。最後まで楽しみにしてみてみます。

第29回IPPON グランプリ チェアマン代理 バカリズムで開催

IPPONグランプリ 大喜利番組として面白さ健在

2024年2月3日の第29回大会は、松本チェアマンが欠席し、過去28大会中27回出場、優勝は6回に及ぶバカリズムが「お台場笑おう会」という営利団体からの依頼ということで(笑)、チェアマン代理を務めました。

バカリズムの戦績からいって文句ないですし、形式が構築されており、問題がよくねられているので、やっぱり面白いというのが素直な感想です。

Aブロックに初出場が3人

まずはAブロックのメンバー。

実力派席と個人的に名付けた右端は、大喜利と言えばの麒麟・川島さん。なんでバカリズムがあっち側なのか、チェアマンやりたいと思っているかもしれませんが、川島さんが出ないと締まらないと思いますので、頑張ってください!

右から2番目の席は初出場!ロングコートダディ・堂前さん。「あこやめ(憧れるのをやめましょう)の精神で行きます」とのこと。個人的にセンスありそうと思ってます。

中央(右から3番目)は、こちらも初出場、ヒコロヒーさん。紅一点で画面に多様性が!いいですね。

その隣(右から4番目)は、サルゴリラの赤羽さん。なんと体調不良になった笑い飯・西田さんの代わりに、前日に出場が決まったということで、動揺が隠せない様子。でもチャンスですよ。もともと相方の児玉さんが出場予定だったそうで、自分はサブだったところ、出ることになり、コンビそろって出演。これは初なのだそうです。持ってますね。

左端はアンガールズ・田中さん。左端(ここも優勝候補席)をベテランで占めるのは当然でしょう。出場4回目、優勝経験はなしだそうですが、今回はチャンスかもしれません。

バカリズムからは「くれぐれもフリップに面白い答えだけを書くように!」という開会宣言がありました。(笑)

今回のお題や心に残った回答(ネタバレします)

第1問:アホなふりして芸能界のことを聞いちゃってください

・「さかなくんのしゃべり方って天然ですか?養殖ですか?」by田中

  ーーうまい。これぞ大喜利って感じです。

・「なんで通販番組には第一線の人が出てないんですか?」by堂前

  ーー「出てるよ!」とバカリズムさん。それでもIPPON。

・「濱田さんほんとに出前館使ってます?」by川島

  ーー「そんな強いパンチを持っていたんですね」とバカリズムさん。確かに。

1問目が終わって、ポイント数は、「田中2 赤羽1 ヒコロヒー2 堂前2 川島2」。接戦ですね。

 

第2問:写真で一言ルーレット

・川島:木の影から顔出す忍者の写真

 ⇒ ちょっと体調悪いのでドロンさせてもらえます?(お見事です)

・堂前:人の後ろ姿ごしに水から顔を出す虎の写真

 ⇒ ちょっと足着く深さやっていうたやないですか

(言い方いい。そうとしか見えない!)

・赤羽:商品棚の前に立つ金髪の子供が目をキラキラさせてこっちをみている写真。

 ⇒ おお~イテマエ打線をシャットアウトや (笑・笑。面白い)

・田中:子供二人が神社で賽銭箱の前で手を合わせて祈っている写真

 ⇒ コナン君が早く大人にもどれますように (いいね!)

・川島:遊園地の椅子がくるくる回る乗物にスーツの人が乗っている写真

 ⇒ みんなで一斉にとった有給休暇 (さすがすぎる。変な写真なのに)

・堂前:とびきりの笑顔でポーズをとるレイをかけた男性の写真

 ⇒ 日帰りなので序盤からテンション上げていきまーす!

  (アハハハ!堂前さんいいですね)

・ヒコロヒー:川辺で鶏とならんで座る男性の後ろ姿の写真

 ⇒ 悪かったよ、鳥貴族に行った話なんかしてさ…

 (そんな角度から?大いにウケてました!「鳥貴族」は川島さんもバカリさんも気に入って「みんなで鳥貴族に行こう」とか多用されていました)

・赤羽:肩を組んで笑い合うおじいちゃん2人の写真

 ⇒ え、おまえ2コ下!? (笑・笑!ほんとにシンプルに一言でうけました)

・田中:2頭のラクダ?のうち1頭から火が出てる写真

 ⇒ お父さん、ハエが出たよ。ボーッ!!

  (アハハハ!なんか難しそうな写真なのにぴったり)

どれも甲乙つけがたい感じで2問目は全員IPPON。好調ですね。

 

第3問:長風呂太郎の物語の最期を「とさ」をつけて教えてください

・「やっと風呂から出たと思ったら長スキンケアを始めたとさ」by田中

ーー長スキンケアというのも文字で見ればわかりますね。

・「太郎がついに長風呂から出たとき、スペインではサグラダファミリアが完成しましたとさ」by川島

ーー長い時間の表現に技が…。文句なしのIPPON。

・「月に帰っていくかぐや姫を風呂場の小さな窓から見送ったとさ」by堂前

ーー昔話仲間?のことが出てきて面白い!絵も味わいあり。

3問目が終わって、田中5 赤羽5 ヒコロヒー6 堂前5 川島7。さすがの川島さんにヒコロヒーさんがすぐ追いかける形で接戦です。

 

第4問:ドラムロール大喜利

こたえづらい質問に、合いそうな芸能人の名前を挙げなければならないという難題。一人一人に違ったお題が出されましたね。ここで田中さんだけがIPPON取れずでしたが、次の問題でどうなるのか…。

 

第5問:この時代節分で鬼に豆を当てるのがコンプライアンス的にまずいです。どう対処する?

・「鬼とまめに連絡を取り合う」by赤羽 ←IPPONではない回答例です。普通だったら悪くないのかもですが、IPPONではない…です(笑点ぽい?)

・「大豆をくだいてきな粉にしてゴホゴホさせる」by田中

ーーIPPONの回答です。いいですね!(このあとはIPPONの回答)

・「水鉄砲で大豆イソフラボンの化粧水を打つ」by田中

ーー大豆の成分にこだわる田中さん。

・「おいで、おいで」by堂前

ーーひねりのきいた面白さでIPPON。

・「鬼が豆足つぼマットを歩く」「2歳の赤ちゃんと2歳の鬼でハイハイレース」by田中

ーーここへ来て田中さんが川島さんに猛追。結構いい感じの回答を続けてます。

・「豆はすべてCGですというテロップを入れる」by赤羽

ーー0点も出したけれどもこれはIPPON!

・「朝から一緒に過ごして鬼があれ今日節分なのになと思ったところで豆をそっとプレゼントする」by川島

ーー最後に長文でIPPON!これで単独でトップに。と思ったら最終問題でした。

Aブロックは11点の川島明氏が制しました。

続きましてBブロック

出場者は右から、ネプチューン・堀内、博多大吉、サルゴリラ・児玉、ハリセンボン・はるか、ロバート秋山(敬称略)でした。

中央席のBブロックの紅一点、はるかさんは、女子IPPONの王者。どんな展開になるのか楽しみです。

第1問一発屋芸人テーマパークのことを教えてください。

印象的だったのは、初出場の児玉さんと長文回答のはるかさんが順調に得点を重ねていたこと。なぜか大吉さんが不発でした。

・「SAGAにある」by児玉

ーーこれはIPPONですね(笑)。いろいろあった中で印象に残りました。

 

第2問:写真で一言ルーレット

・堀内:2本の木の間にまたがっているアライグマの写真

 ⇒ ダメダメ、まだフローリングのワックス塗りたてだから!

(アハハハ!かわいい写真にぴったりですね)

・大吉:三角のとんがり帽子をかぶった3人のおじいさんたちの写真

 ⇒ チャンネル登録お願いしま~す(爆笑)

・はるか:監督に指示を聞いている交代で入る女子サッカー選手の写真

 ⇒ 分かった?右が明石家さんまで、左がほいけんた(よくすぐ出ますよね。うまいなあ)

・大吉:トリマーに毛を引っ張られている白い犬の写真

 ⇒ ここだけ黒く染めてもスヌーピーにはなれないわよ(犬の表情にぴったり)

2周して、秋山さん、児玉さんが2本とも落とすという展開に。

 

第3問:一人称が「うち」の人が言いそうなことを言ってください

・「うち、年賀状やめてん」by大吉

・「うちの人生、七転び八起き、九泣き十笑いや」byはるか

・「待って、もうだめな男、みんなうちのところへ来る」by秋山

・「うちA型みたいなB型やん?」byはるか

・「うち、犬としゃべれんねん」by児玉

・「なんでやろね、うちこんなに苦い甘栗初めてや」byはるか

ここではるかさん7点で単独トップに。なにわビフテキ小町で本日2回目の0点を出しつつも2位に秋山さん。

 

第4問:ドラムロール大喜利

こちらで、はるかさん1本とれず堀内さん、秋山さんがはるかさんに追いつきました。

 

第5問:&を3つ以上つかって何かを言ってください。

正統派の大吉さん・はるかさんに対して、ピントが違う堀内さんと力技の秋山さん。それぞれが個性的な回答でIPPONを重ねていました。

「アンド、アンド、アンド、アーイヤーイヤー♪」by秋山

「パッキャラマード&パッキャラマード&パオ&パオ&・・・♪」by堀内

文字にしにくい独自のワールド。終わってみればトップに堀内さん、大吉さん、秋山さんが同点で並びました。最後のかるた問題できれいに秋山さんが決めてBブロックを勝ち上がりました。

勝戦は川島VS秋山の初対決

第1問:ボウリングですべての投球がガタ―だったときにおこることとは

バカリズムとしては予選でたくさん回答したい問題らしいですが、秋山さんの

・「帰りに、店員が『いやあ、よかったですけど』と気を使ってくれる」

がスピードでIPPON。

 

第2問:架空のコンビ名で自己紹介

川島さん先攻で、次々に架空のありそうでないコンビ名の芸人を言い合う。判定を出すのは、田中さんと堀内さん。ここでも秋山さんがIPPON。

 

第3問:1対1の戦闘で「フッフッフそれはわたしの残像だ」よりも相手がビビることを言ってください

後がない川島さんが速攻で「フッフッフこれがインボイスだ」でIPPON。

 

第4問:動画でアフレコ

お題は、黄色い羽根をつけたアフリカか南米あたりのダンサーの映像。

ここでも川島さんが先に回答権を得て

・「熱っ、熱っ!人生初の~人生初の~床暖房~♪」

という最高のアフレコを披露しIPPON。

 

第5問:今、アナログテレビをつけるとどうなってる?

・秋山「ここでもテレ東佐久間さんが出ている」

ーーけっこういいように思うけれども、IPPONならず。

・川島「基本砂嵐なんだけど、たまにタケモトピアノのCM」

ーーこれもいいけれどもまだ決まらず。

・秋山「おじさんが、だから終わってんの!と言ってくる」とフリップも出さずに言い続けて勝利。自由すぎる…。

多分このゆるさの勝利は、松本チェアマンでなかったゆえの結果かもしれないです。重圧から解放された大会?バカリズムの解説のおかげかもしれません。

今回も面白かったですよ。皆さまお疲れさまでした。次回の開催も楽しみにしています。

解散間近「和牛」〜記憶され記録に残る漫才師〜

お笑いコンビ「和牛」の解散のニュース

2023年12月12日、お笑いコンビ「和牛」が2024年3月末に解散すると発表されました。

M1グランプリという漫才の頂上決戦を謳ったコンテストに、2015年~19年まで5年連続で決勝出場を果たし、3年連続2位という惜しすぎる記録を持つコンビです。

2016年~18年、惜しくもM1で2位だったのは、今回の解散にも影響したのではないでしょうか。

面白かったのに、なぜ2位なのか!と視聴者目線で納得いかなかった年もありました。そのとき、M1放送の翌日の新聞広告の1面全面に「2位でもすごい」という感じの「和牛」を称える広告が出たこともあったと記憶しています。(スポンサーだったのは日清?)それが世間で受け入れられるくらい「和牛」の健闘は認知されていましたね。

ほかにも解散する芸人さんのニュースを耳にすることはありますが、2023年、「和牛」の解散のニュースは特別にショックが大きかった…。

ならもっと劇場に足を運んで、直接「面白いよ!」と伝えるとか、行動すればよかったよね…と言われそう。そこまでの「推し活動」をしてこなかったのに、残念がってもね…とか言われそう。でも、やはり寂しい。

和牛の魅力

「和牛」の魅力は、川西賢志郎さんのシャキシャキしたまっとうさと水田信二さんの人をイラつかせるキャラの掛け合わせだなあと思います。

流れるような川西さんのしゃべり方って、本当に本当に聞きやすいですし、いちいちむかつく水田さんの言葉のチョイスなども外さない。

辛抱強い川西さんが最後「やってられるか~」となるまでも面白いし、「爆発」してくれると「いいね!」とすっきりするし…見終わって、心に残る面白さを感じるのです。ただあほらしいとか、ただ一発ギャグがあるというんではなく…。

面白い漫才師であるということは、間違いなく、その事実は私の記憶から消えません。

「お笑いの本屋大賞」がもしあれば…

M1グランプリで、優勝を逃したコンビは多くても、3回も2位だったというのは他になく、それはまじめに受け止めてしまうとかなりつらいことなのでは…と想像されます。水田さんより川西さんの方にそのつらさがのしかかっていたのでしょう。(解散公式発表の文面から想像)

優勝してバラエティの冠番組をもったり、ひな壇にひっぱりだこになったとて、それはそれ。最終的には「和牛」はずっと漫才師として舞台に立ち続けたでしょうから、今のように準優勝であったことと大きな差はないのだろうと勝手に思っていたのです。

なんて鈍感な視聴者でしょうか…。

同じことではないです。同じではない。

だからこそですね、直木賞じゃなくっても本屋大賞があるように、お笑いファンの感覚に近い「お笑い番組スタッフ・メディアのお笑い担当」が「もっとも売りたい漫才師におくるお笑いスタッフ大賞」がもしあったとしたら、「あの年の優勝は和牛だった」と言ってあげたいです。(意味あるかわかりませんが)

それで、「THE MANZAI」などの「ネタを見せる番組」に「お笑いスタッフ大賞」受賞者は出るというふうにしてくれたらね…。

お笑いの賞レースというものはどうしても満場一致にはならないという部分がありますよね。なんというかその場の勢いで、審査員がつい高得点を入れてしまったというような。なんであのとき〇〇が優勝したの?そんなに良かったっけ?という回もあると思うんですよね。そのことが、出場者の運命を分けてしまうというような…?

とはいえ、賞レースで優勝した組は、どうなのかと言えば、例えば、「キングオブコント」というコントの面白さを競う番組ではそれこそ優勝経験があっても、その後人気沸騰ということでもなく、続けられずに解散するという例は多くあるようです。

漫才の大会「M1グランプリ」の優勝者は息長く活動されているようです。でも、優勝せずとも売れている芸人も多数いますね。おそらく面白い漫才をする能力が高い組が必ずしもTVで使いやすいとも限らないという部分もあるのでしょう。売れるというのが「TVに出る」「CMに出る」「冠番組をメディアで持つ」などを意味するのであれば、ですけれども。

ありがとう「和牛」

川西さんは今時点で漫才についてはやりつくしたという気持ちだそうです(という報道をどこかで読みました)が、水田さんはまた別のコンビでやる気もあるそうですね(それも面白いかもです)。ピンでも個性を生かしてTV出演などは続けていただきたいな、と思いますし、漫才に定年なんてないですし、70歳、80歳になっても舞台に立てる職業だと思っています。超高齢化社会なんですから、いくつになってもいいので、またやりたくなったら、川西さんも漫才の舞台に帰ってきてくれたらなあと、また勝手なことをいち視聴者は言うわけですが…。

「和牛」のお二人、今まですばらしい笑いをありがとうございました。

M1グランプリ 2023 :お祭り感の中、ヤーレンズ・令和ロマンが大接戦!

今年のM1はギスギスしてないお祭り感

マヂカルラブリーが出ていたころなど、結構「笑いの格闘技」感が強かったんですが、今年は、真剣な大舞台ではありますが、お祭り的な雰囲気を強く感じました。

審査員は、中川家・礼ニ、サンドウィッチマン・富沢、ナイツ・塙、博多大吉、山田邦子、海原とも子、ダウンタウン・松本の7名(敬称略)でした。

史上最大の8540組が参加、2023年12月24日のテレ朝は決勝はもちろん、敗者復活もその前にオンエア。翌日もM1出場者を集めて振り返る番組などがあり、ずっとM1を盛り上げている感じでしたね。

敗者復活で上がってきたのは、ハゲネタを演じた「シシガシラ」で、なんというか、決勝で勝ち抜きそうには思えず…でした。

ネタを披露する順番を決めるくじ引きは、WBC優勝の栗山英樹さん、岡本和真さんが引きました。重要なくじ引きですけれど、このお二人が引くのなら文句はないでしょう。

出場順に演者とネタの感想

トップバッターは「令和ロマン」。大学のお笑いサークルで出会った2人。結成5年目。眼鏡のくるまさんと髭のけむりさんで、見た目のバランス悪くない。

ネタは「少女マンガでよくある転校生と登校中にぶつかって…というシーンについて」。あんまり知らないコンビでしたので、導入の自己紹介などあってよかった。聞きやすかった。直角に曲がる動きから日体大になっていくあたりで、会場の笑いがMAXに。好発進。

2番目は、敗者復活「シシガシラ」。やはりハゲネタでした。単調に感じてしまいました。ハゲネタなら過去の王者トレンディエンジェルはやはり突き抜けてましたよね…。

3番目、「さや香」。留学生受け入れるホームステイネタ。昨年2位でしたが、めちゃくちゃ面白かったので、自己ベストのネタではないような印象。

4番目、「カベポスター」。学校の不倫のネタ。上手。ネタの内容は多分上位に食い込まないのでは…と思ってしまった。

5番目、「マユリカ」。初の決勝。見た目はメリハリきいていていいのでは。ネタの印象がメモにない…。すみません。ちょっと中だるみしてしまった。

6番目、「ヤーレンズ」。初の決勝戦。引っ越ししてきた時の大家さんとの挨拶のネタ。すごくボケが細かく矢継ぎ早に展開されているので、得点が伸びた気がします。技数が多い。聞いている方にもけっこう集中力がいるので、疲れているときには向かないかもしれません。

7番目、3年連続決勝進出「真空ジェシカ」。A画館、B画館がある世界の「じーがかん」のネタ。面白い。エンジン式のスマホとか…笑いました!個人的にはベスト3に入ってます。

8番目、「ダンビラムーチョ」。初出場。人間カラオケで、「天体観測」を演奏する歌ネタ。笑いは取れていました。でもあまり優勝候補になるような感じではない印象。

9番目、「くらげ」。ワイシャツとアロハの二組。初めて見ました。サーティワンのフレーバー、サンリオのキャラクター、口紅のブランド。あれだけ次々よく出るなあって感心しましたが、審査員のどなたかと同様に「ミルクボーイ」を思い出してしまい、それを越えてはいないのでちょっともったいなかったですね。

10番目「モグライダー」。過去にM1決勝にも来ていますし、すでに売れてきているコンビ。芸達者な芝さんと不器用だけどいい人感あるともしげさんのバランスがよい。しかし今回は「空に太陽があるかぎり」の歌ネタが、8番目の組と歌ネタかぶり?不発だったかもしれません。

最終決戦に残った3組の感想

最終決勝に残ったのは「令和ロマン」、「ヤーレンズ」、「さや香」に決まりました。意外感もありますが、確かに今回は出だしの「令和ロマン」がよいスタートを切って、途中中だるみして、最後も不発だったので、審査は順当かも。トップバッターが最終決戦の3組に残ったのは、2005年の「笑い飯」以来だそうです。さらにネタ見せ順は、また令和ロマンがトップ。不利なのか有利なのか。興味深かったです。

まず、「令和ロマン」。おすすめのドラマのダイジェスト。面白い。キャラの分かりやすさもあるし、緩急あるネタ運びで見やすいし、予想を裏切ってくれる楽しさがありました。

次「ヤーレンズ」。いろいろ逆さまなラーメン屋のネタ。高度に練られた組み立てだと感じました。1度ではもったいないっていうか。2度見ても「あ、そうか」というような。「メンジャミンバトン」ね、なるほどね~。

トリは「さや香」。非常に独特な「見せ算」というネタ。面白いけど、トリッキーなネタだけに、みんな王道のしゃべくりの掛け合いを期待していたので、がっかり感の方が強いかも?

審査員の票が割れた?!

最終審査は点数ではなく、勝ったと思った組に審査員ひとりずつ1票入れる方式。票は2つに割れました。

順番に票を入れた組の名前が発表されていきます。「令和ロマン」「ヤーレンズ」「令和ロマン」「ヤーレンズ」……、交互に名前が呼ばれ、3対3。最後の1票は…。

「令和ロマン」。どよめく会場。喜びがはじける「令和ロマン」の二人。令和も5年目、ついに元号の名前が付くものがヒットしたんですね。(変な感想ですみませんが)

内訳をみると、「令和ロマン」にいれたのは、大吉、塙、中川家礼二、松本(敬称略)。「ヤーレンズ」には、富沢たけし、海原とも子、山田邦子(敬称略)が入れていたのですね。

第1回中川家以来のトップバッター優勝。おめでとう令和ロマン。

「強いねたを残してた。根性があった」と評されていた令和ロマン。実力がないと勝てないですが、運も味方にしないとなかなか遠いグランプリを獲ったのは、びっくり。チャンスをものにしましたね。

優勝に届かなかった皆様もそれぞれに輝いていました。お疲れさまでした!

 

No.1女性芸人決定戦 THE W 2023 ~栄冠は「紅しょうが」の手に~

笑いの種類いろいろの女性芸人の大会

日テレのお笑いコンテスト「THE W」。

女性芸人というくくりで、多種多様なジャンルのパフォーマーが競うため、どちらが優れているのか分かりづらい大会です。

とはいえ、キー局のお笑い杯でNo.1の称号を得ることは、売れるためには大事なこと。

今年も予選を勝ち抜いた女性芸人たちが熱いパフォーマンスを繰り広げました。

この大会は、出場順に次に出てきた人とどちらが面白かったかを審査員が採点。2組を比べて、面白かった方に票を入れる方式。なおかつ各ブロックごとに分けています。

審査員の笑い飯の哲夫さん、麒麟の川島さん、ドランクドラゴン塚地さん、アンガールズ田中さん、友近さん、マヂカルラブリーの野田さんの6人と視聴者投票の7票あって、7-0となったりもした時もありましたけど、各組にそこまでの差はない印象でした。審査は難しいと思いましたが、意外と評価は一致していたようです。

出演者の顔ぶれは・・・

Aブロックは、まいあんつ、はるかぜに告ぐ、スパイク、やす子。

Bブロックは、ハイツ友の会、紅しょうが、変ホ長調梵天

Cブロックは、ゆりやんレトリィバァ、あぁ~しらき、ぼる塾、エルフ。

ああ!知ってる!と思う芸人とともに、知らないなあっていう芸人も結構いました。

Aブロックの「まいあんつ」は、パワフルなギャグを連発する、赤塚不二夫の漫画出てくるキャラクターのようなピン芸人。「はるかぜに告ぐ」は初めて見ました。芸歴浅いですが、しっかりした漫才です。「スパイク」はこの番組の常連のコントのコンビ。「やす子」は去年くらいからすでに売れている元自衛隊のぴん芸人さんです。

Aブロックを勝ち抜いたのは、スパイクでした。

Bブロックの「ハイツ友の会」はローテンションのコント。バランスよい感じ。「紅しょうが」はパワフルでした。貫禄あるなあ。「変ホ長調」はあまり知られていないかもですが、実はM-1の決勝に出たことがあり、なおかつアマチュアという異色な漫才コンビです。素のおしゃべりのような、パンチの効いたかけあいが、さすがここに残るだけあるなあと思いました。梵天は知りませんでしたが、ローテンションの姉妹漫才です。

Bブロックの勝者は紅しょうがでした。

Cブロックは、すでに優勝経験者のゆりやんレトリィバァが出場。ほかに、知らなかったピン芸人「あぁ~しらき」とか、4人になった「ぼる塾」、ギャルの人のキャラが立っているコントコンビ「エルフ」が戦い、「エルフ」が制しました。

勝戦は・・・

各ブロックを勝ち抜いたスパイク、紅しょうが、エルフが、最終ステージで戦いました。

スパイク…靴下の裏が真っ黒な友達の家に遊びに来た友人のネタ

エルフ…ホストクラブに初めて来たギャルのネタ

紅しょうが…スカートのすそがパンツにはさまってしまった女性ネタ

思い思いのネタで臨んだ決勝。クオリティはどれも高かったですが、4票を集めた紅しょうがが優勝!エントリー総数863組の頂点に立ちました。おめでとうございます!

紅しょうがさんは、4年連続5度目の出場でつかんだ優勝だったんですね。立ち位置右側は美脚の稲田美紀さん、左側は安定感ある笑いを届ける熊元プロレスさん。いつみてもなんか雰囲気がいい二人です。息長く活躍してほしいです!

他印象に残ったのは

やはり漫才とかコントは、テンポよく畳みかけてくる感じで盛り上がれるので、ピン芸人よりも笑いがとれる形式なのではという印象。とはいえ、かつて、ゆりあんさんや吉住さんといったピン芸人も優勝しているので、そうとも言い切れないんですけれどね。

初登場の漫才コンビ「はるかぜに告ぐ」がこれから伸びそうな予感!忘れたビニール傘は戻ってこない…というネタなんですが、笑いましたね。

「ハイツ友の会」も、癖のある陶芸家にインタビューする癖のあるライターのネタ、なかなかよい仕上がりでした。

マチュアとは思えない「変ホ長調」もじわじわ来る笑いで、女性でもぼやき系漫才ってありなんですね、と思いましたね。70歳、80歳になってもいける感じがしました。

惜しくも優勝を逃した「エルフ」も売れてきましたよね。じゃんじゃんテレビでも活躍できるのでは。ギャルっぽい見た目を活かしたネタで笑わせてほしいです。

みなさまお疲れさまでした。笑いを志す女性芸人さんにエールを送ります。楽しい時間をありがとうございました。

 

複雑系アクションアニメーション「進撃の巨人」完結!

流行ってから10年たっても深いなあ

人に勧められて、結構はまってアニメ版をみていたのは何年前だったかな。でもそのときのシーズンが結局最後じゃなかったんですよね。なので、ラストどうなったのか気になっていました。

テレビアニメの各シーズンの放送を振り返ると、

・シーズン1 2013年4~9月 

・シーズン2 2017年4~6月

・シーズン3のパート1 2018年7~10月

・シーズン3のパート2 2019年4~6月、

・「The Final Season」のパート1 2020年12月~2021年3月

・「The Final Season」のパート2が2022年1~4月

・完結編の前編 2023年3月

となっており、途中のシーズンは見られなかったりもしていて、もはやどこが見れていなくて、見ていない間にどんな設定が明らかになり、だれが裏切ったのかとか、エレンがどんな能力を持っている状態なのかなど追えてないかもしれません。

そんな中、2023年11月4日に「完結編の後編」が放送されたのです!

どこかを見ていなかったとしても、まあ、そこまでのだいだいを理解して、ついていくしかないと思っています。見るっきゃない。

細かいところはおいておいても、普段テレビアニメなんか見ないという人にも、面白い。以下のような魅力があるアニメーションです。

世界史的な面白さ

世界史を学んでいく中で、戦争の歴史を追っていくと、どちらかの勝利は、どちらかの敗北で、どちらから見るかで「正義」が違うじゃないですか。そういうそれぞれの正義がぶつかり合っているということを、「進撃の巨人」は描いていますよね。

それで、主人公エレン達は自国の立場から信念を抱いて、命を懸けて戦い続けるんですよね…。「心臓を捧げよ」というセリフとか、「捧げよ、捧げよ、心臓を捧げよ」などの主題歌の歌詞などもあって、戦争を肯定していると受け取れられかねない面もあるかもしれませんが…戦争を仕掛けているのは誰なのかなど全体の構図を俯瞰して見せて「そんなふうに争うことはよくないよ」ということを描いているという意見が多いのではないでしょうか。

物語の骨格はおさななじみ

タイトルにあるように「巨人」は出てきますし、巨人の物語でもありますが、巨人も多種多様にいる世界なのです。筋肉が筋張ったあの姿の巨人だけではないし、あの姿の巨人は「進撃」の巨人じゃないんですよね…。(初心者が間違うようなタイトル&メインビジュアルだっただけに)

では誰の物語なのかといえば、やはりエレンの物語です。壁に守られた世界に平和に暮らしていたエレン達が子供のころ、壁より大きい巨人の襲来を受けて、町は壊滅して、人々も多数なくなって…大変な思いをするところが物語の初めにあり、成長してから壁の外へ世界を探索しに行き、巨人を倒す調査兵団になっていくっていうのが物語のとっかかりです。

序盤に信じていた世界を覆すような大どんでん返しの設定などが次々に明らかになる「進撃の巨人」の物語ですが、子どものころからの幼馴染み、エレンとアルミン、ミカサのつながりがベースにあって、それがあるから見続けてしまいます。

立体起動装置の空中アクション

複雑すぎる内容のため漫画では挫折してしまう人も、すばらしい仕上がりのアニメーションのおかげで、楽しめるわけですが、その出色の場面といえば、立体起動を使ってのアクションシーンです。

立体起動は、人類が巨人と戦う上で欠かせない装置です。コンパクトでありながらパワーがあります。ロープを放ってリールを巻き上げる力やガスの噴射を使って、空中で自由自在に飛び回ることを可能にする装置です。調査兵団は馬にも乗りますし、武道も達者ですが、いざ巨人と戦うとなったら、「立体起動装置」を使いこなして縦横無尽に飛び回るんですよ。

この立体起動戦において調査兵団みんなものすごく強いんですけれども、なかでも抜きんでた兵士といえば、リヴァイ・アッカーマンとミカサ・アッカーマンです。

二人とも黒髪のショートヘアで…クールなんです。アッカーマン一族ってすごすぎる。

リヴァイは男性で、ミカサは女子ですが、ふたりとも半端ないって。とくにリヴァイは戦術などはエルヴィン(調査兵団の長)などにまかせて、対巨人戦で異次元の強さを誇るんです。

かつて元NHK女子アナウンサー近江さんが、このリヴァイが好きすぎて同じ髪型にしてもらったとかでショートヘアで番組を司会していたことがありました。それくらいファンがいるキャラクターだということ。

そういうキャラクターの誰押し?という観点からも楽しめる作品です。

民族のDNAとか王家の血筋とか

科学的な話というかSF的な要素というかもこの話の魅力ですよね。巨人になれる遺伝子を持つものがいて、その能力を継承させることが大切だとか、そんなものを継承させてはならないとか、そのあたりも織り込まれています。

巨人には、あまり大きくなく、知性をもたない多数の一般巨人(無垢の巨人)とけっこう大きくて特別な能力や知性がある巨人がいるんです。(詳しくはだんだんわかってくるわけですが)特殊な巨人は9種類いるらしく、9つの能力を分割して1つずつ持っているようですが、いろいろな条件があるらしいけど、一人でいくつもの能力を併せ持つこともできるとか…複雑な設定があり、それを知ってる国もあれば、知らない国もあるなどいろいろあるんだけど(正しく言えなくて申し訳ない)、その巨人になる体質っていうのがね、さまざまな悲劇を生んでしまうんですよ。

とにかく何百年も前から人類にはいろいろ巨人の能力を巡って戦いが繰り広げられてきたっていうのがあったのだけれども、エレン達は知らなかったっていうのがある。

でもエレン達はそういう遺伝子のある民族なんです。で、エレンは理解していなかったけれど、子どものころにお父さんに巨人化することを可能にする成分のなにかを引き継ぎされてるので、巨人との闘いの最中に、覚醒して巨人化する。

あと、王家の人が受け継いでいる特別な巨人のDNAもある。

すごく印象に残っているのは、巨人になれる民族の人に何らかの成分をあたえ、「〇〇の巨人」が覚醒させるとその民族の人間が一気に巨人化するという感じのところ。条件いろいろあるんですけど、たしかそんなこともありましたよ。恐ろしい。

それでもって、巨人になったときからの寿命が13年とかけっこう短くて…。

そのことも巨人の能力の継承問題であったり、エレン自身がこれから世の中をどうしていきたいか、13年の間にどう実行するかなどに大きく影響してくるわけで…。

新事実がいろいろ明らかになるなか、エレンはエレンなりに、よいことをしようとしているっていうのがあるんです。だから、理解できないことも途中あるけど、最後はきっと……と思うんですよね。

最終回は!

涙なくして見られない…かもしれませんね。

恐怖の「地ならし」という段階に入ってからの続きで、エレンが自分を追い込んでとんだ無茶なことをミカサやアルミンほか仲間たちに強いている感じのところからですよ。

人類と巨人の最終決戦というようなところだったはず。文明批判なのですかね。そういう意味では「風の谷のナウシカ」に通じているような部分も大いに感じます。あちらは火の七日間と言ってましたが。

いずれにしても超ロング大作がついに完結。感慨深いですし、内容も深いですし、飛ばしたところをちゃんと見てから見た方がいいかもしれませんし、いろいろ考えさせられるであろうと推測していますが、まずはアニメーションスタッフの皆さんお疲れさまでした!

数々の登場人物たちに思いをはせて味わいたいと思います。