海辺から半歩下がって綴る《ドラマ・映画の話》

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#リモラブ:波瑠主演ドラマ 感想

この感想はストーリーの結末などに触れています。ネタバレアリ

 

新型コロナのステイホーム期間に芽生えた恋

リモラブ、2020年12月23日、最終回放送終了。

このドラマの終わる頃には、もうちょいコロナ関連収まっているかと思いきやまだまだな感じですね。

 

さて、主演の波瑠という女優さんはショートカットがトレードマーク。知的な雰囲気で、優しげ。手術をバリバリやるタイプでない、企業に常駐してる産業医の役はぴったりです。

今回波瑠の演じる、産業医の美々先生は、お一人様生活を満喫してますが、ステイホーム期間に、素性を知らないけれど、ゲーム内でチャットをしていて、気が合うと感じた人を好きになる。

毎日の通勤も止められ、ライブも演劇もスポーツの試合もレストランでの会食も出来なかったあの時期に始まった距離感ある恋愛。リモートラブで、リモラブ。

 

仕事の後に気楽に楽しめるラブコメという感じでしたね。

 

もともと美々先生はプライドが高いタイプで、簡単に恋には落ちない。

だから、遠距離的な顔も知らないリモートの相手とゆっくり、ゆっくり恋心を育むのが合っている。

 

だけど、リモートラブの相手の男性が非常に鈍感で、スローテンポなので、なかなか人を好きにならない美々先生の恋心が追い越してしまう。そこが笑える。彼は、彼女もいたし(のちに別れる)、茶飲み友達の感覚のリモートの関係に満足していたので、恋が始まり、成就するまでのすったもんだがある。それがコミカルに描かれていくんです。

 

え?加瀬亮じゃない?

 

美々先生が好きになった人のチャット名は「檸檬」で、美々先生は「草もち」というチャット名なんだけど、そのセンスはおいといて、その檸檬さんは、同じ会社の人事部の青林という人だったのです。でも、青林は美々先生のタイプではないのです。

見た目や仕事上で知ってる性格などが。

美々先生の付けたあだ名は、キャベツ。惜しいけど、檸檬とキャベツは違うよね。

 

その青林くんがいつもマスクをしてるせいもあって、誰が演じているのか、全然分かってなかったの、私だけ?!

初め、加瀬亮だと思ってだんだけど、全然別人でした!

嘘でしょ、確かに年齢的にはちょい若めだけど、演技とか声も、加瀬亮にそっくりじゃない?マスク外したシーンが増えて、違う?となってきたけども。

美々先生が、最初、檸檬を別の人だと思い込んで、「私が草もちです!」と名乗りでたのを笑えません。

 

加瀬亮が好きなんですよ。そもそも。マスクのせいでとんだ勘違いだわ。

 檸檬だと思ってたら、キャベツだったショックと似てる…と思う。

だけど、青林役の俳優さんのことも、嫌いではないよ。似てるのも、本人に罪はない。

今は、松下洸平っていう名前も覚えましたし。でもそういう視聴者は他にもいたんじゃないかな?

今年名前を広く知られるようになった俳優さんですよね。「スカーレット」(NHK朝ドラ・2019年)にも出ていたけれども、その時には顔は売れたけれど、名前は浸透していなかったから。ああ、その時も、加瀬亮さんに似てるって思ったんですよね、そういえば!ようやく今回つながりました。

 

変な名前の登場人物

このドラマ、役名が変。そのせいで、変なドラマだと思ってしまったくらい登場人物にレアな苗字が多い。

美々っていうのも、あんまりないですし。大桜という苗字もレアですし。青林もね。このお話は、リアリティがないですよ!というための印なのかな。

「五文字くん」とか出てくるのですが、モヤモヤする名前です。はっきり言いなよ!と思う。五文字って何を表してるのだろうか。「ありがとう」とか?

そーゆーネーミングセンスは、このドラマのクセが強すぎるところかな。

 

なぜ美々先生は特別?

美々先生の助手の人も、先輩の先生も、親しい人は皆んな美々先生が、真面目過ぎるがゆえに、モテない事を心配していて、何かと協力しようとする。

チャットで出会った彼との仲をとり持とうと協力するし、別の人を檸檬だと思って自分から声をかけたりして、うまくいかないのをみて、何かと「可哀そうに」と思っている。

美々先生、周囲から何かと「可哀そうに」と思われてるって、結構つらいよね…。

 

不器用な美々先生は、他部署では、笑顔を見せない怖い先生だと思われているけれど、医務室では大切にされてる。それが、なんかこのドラマのミソなんじゃないだろうか。

 

青林も仕事のできない人扱いをされていたが、今の人事部では、大切にされてる。外国語を何ヵ国語も操る多彩な面もある人なのだ。

 

真面目ゆえにダメだと言われることもあるが、有能な面もある2人は、どこか似てる。

 

最近は生産性を重視する傾向だけど、会社に入ったら、そういう優しい扱いがあるという事を感じさせる話でもある。出勤できない期間にやる気を失っている新入社員に、平日有給で温泉旅行を勧めるような、そんな会社なのだ。ぬるい。

 

それが、非正規の労働者や厳しい職場で働いている人には、お気楽でムカつくところかもしれない。

世の中、でもこれがリアルなのかもしれません。コロナ禍のなか、不況が関係ない職場もあるっていう。大変ではあるけれど、追い詰められてはない・・・というか。

大変な人たちからみると、ユートピアの中の人たちですよね。

あ、でもついに最終回で、美々先生にリストラ話が浮上する。

そういうときでも、署名運動をしてまで、ひきとめようと動いてくれる人がいる。美々先生は、特別な人なんだなあ。

この細やかに気にかけるということを、非正規やハードな職場に働く人たちにも行っていこうよ。そういう日本であってほしいです。

 

キャラを料理に例えると・・・

このドラマでは、美々先生は心の中で人に食べ物のあだなをつけていた。最終回で美々先生は、そういう自分を反省してましたけど。

自分を「フランス料理」と思ってる美々先生は、青林くんを「付け合わせのキャベツ」とたとえていました。

しかし、青林くんのキャベツ感はOKだが、フランス料理のこってりとした雰囲気が、実は波留からは漂ってこないんです。

 

それが、もうひとつのこのドラマの問題かも。

ひとつは変な名前。もうひとつは「フランス料理」のこってり感と不器用な「可哀そう」感の両立は、波留にはちょっと難しすぎたってこと。どちらかというと波留は「可哀そう」よりかな。料理でいえば、「懐石」みたいなあっさり感。医師としてはぴったりなんだけどね。

 

たとえばドラマ「結婚できない男」の阿部寛は、こってりとした高級感と、もてない不器用さが完璧に両立できていた。さすが阿部寛ですね。

まあでも、設定として「クラシック音楽を大音量で聞く」とか洋風な趣味嗜好を随所に感じさせてたしね。

 

やはり、脚本の問題?だって、チャット名の「草もち」というのも食べ物!イメージが重なるとワケが分からなくなる。当然、波瑠=草もちの方がフランス料理よりは近いからね。

あとは美術とかも。だって、部屋の雰囲気とかフランス感ないし、自炊でこってりソースの肉料理を食べるとかそういうシーンがないじゃない?ワインを愛でる雰囲気もないし、服装もあっさり。どこにも美々先生が「フレンチのフルコース」的な人だとおもわせる要素がなくない?

 

もしかして、最初は「石原さとみ」(うるさくてわがままな感じがうまい)とか「北川景子」(キラキラした華のある容姿と圧力のあるオーラ)のようなわりと、フランス料理を感じさせるタイプを想定して、脚本や美術・スタイリストなどの工夫はなくてもいいっていう想定していたのでしょうか。

でも、波留でよかったと思う点も多かったですよ。波留にあわせて「懐石料理」という設定に変えるとよかったかも?

 

リモートとリアル双方のコミュニケーションを!

 2020年、人と距離をとれと言われまくっている私たち。

それでも、このドラマのようにリモートの中から本当の愛の芽が芽生えることもあったよ、と言えるといいですよね。

いいと思うのは、結局はリアルに会って、喧嘩やすれ違いがあっても、それを乗り越えて美々先生と青林が距離を縮めていくところ。やっぱり、リモートだけじゃ、分からないし、結婚も決断できないですよね。

気になる人とのコミュニケーションをこの状況下でもみんなうまくやっていこう!できればリアルに会いながら・・・ね、と感じたドラマでした。