「タルト・タタンの夢」がドラマに!
数年前から原作読んでました〜!待ってました!のドラマ化。2021年5~7月期もテレビドラマウォッチャーとしては「シェフは名探偵」のおかげで大変楽しくなりました。
ビストロ・パ・マルの三船シェフのイメージ、西島秀俊さんなかなか近い。悪くない(パ・マル)です。
原作は近藤史恵さんの「タルト・タタンの夢」「ヴァン・ショーをあなたに」「マカロンはマカロン」(創元推理文庫)なんですが、小説で読むとき、いつもどんな料理なのか、きちんと分からないまま、美味しそう〜と思っていたので、料理を映像でじっくり見られてよかった。
ストーリーは日常の謎解きモノ。
三船シェフが、類い稀なる洞察力でお客様の話してくれるちょっとしたエピソードから、真実を導き出して、より幸せな方向へ背中を押してくれたり、時には悪意を炙り出したりするんだよね。謎の解決の糸口をみつけてしまう三船シェフが、問いかける「ちょっといいですか?」というセリフがあるのです。
そのいい方の感じ、西島秀俊さん、良かったわ。
「おかえりモネ」でも忙しいだろうに、売れっ子ですね。
各話のメニューを紹介
ビストロ・パ・マルは、フランスの家庭料理を提供するビストロです。不愛想な三船忍シェフと、新米ギャルソンの高築(濱田岳)、三船を尊敬するスーシェフの志村洋二(神尾佑)、俳句が好きなソムリエの金子ゆき(石井杏奈)の4人が働いています。
三船シェフは、料理の腕もさることながら、お客様の様子や話から、料理を通して謎を解決してしまうという特技を持っています。
ナゾ解きにかかわる部分は、ドラマや小説で堪能するのがいいと思うので、出て来たメニューをご紹介します。
第1話の気になるメニュー
ロニョン・ド・ヴォー:
仔牛の腎臓の料理。内臓料理だけに下処理も手間がかかるし、鮮度も重要。これを偏食なお客さまが美味しいと言って食べるのだから、本当においしいのだろうなあ。
ヴァン・ショー:
フルーツとスパイスを赤ワインに加えて温めたホットワイン。
原作のタイトルにも使われているだけに、物語の中の謎解きシーンなどでよく出てくるんですよね。いったん営業が終わったひとときにも、出してくれる飲み物、ヴァン・ショー。ほっと心も和ませる三船シェフの作る1杯、飲んでみたい!
第2話の気になるメニュー
ガチョウのコンフィのカスレ:
「コンフィ」はオイルで煮る料理。「カスレ」はフランスに古くからある土鍋煮込み料理。ってことは、土鍋を用いてガチョウをオイルで煮込んだ料理なのでしょうね。
冬に温まりそうですね!
第3話の気になるメニュー
フランスの伝統菓子でパイ生地にアーモンドクリームを入れて焼いたもの。公現祭(エピファニー)の日に家族や友達と集まって食べるのだそう。
公現祭の日というのは、1月6日または1月2日から8日の間の日曜日なのだというから、日本の新年会みたいな雰囲気なのですかね?
意味的には、クリスマスがイエスの誕生日だとすると、東方の三博士がキリストを拝むためにお土産を持ってやってきたことを記念する日(ニュアンス違うかもしれませんが、多分そういうことらしいです)。馬小屋で生まれてからしばらくしたころに、東方からわざわざ会いに来たってことなのですね。
で、お菓子としての楽しみは、焼くときに中に「フェーブ」という陶器製の小さな人形とか置物を入れるので、切り分けて配って食べているとき、中から「フェーブ」が出て来た人が当たりになるってこと!王様(女王様)になって、その日1日王冠を被ってみんなから祝われるというのです。
なかなか、楽しそうな風習ですよね。このお菓子もまた、美味しそう~。
第4話の気になるメニュー
スープ・オ・ピストゥ:
南仏の家庭料理で、野菜、豆類にバジルを加えて煮込んだスープ。ピストゥ=バジルなんだって。
第5話の気になるメニュー
ピペラード:バスク語でトウガラシという意味の、「biperra」が語源の料理です。卵が入った、優しい味わいのラタトゥイユ。
オッソー・イラティ:バスク地方からベアルン地方を原産とするフランスのセミ・ハードタイプのチーズ。これに黒サクランボのジャムをつけると絶品なんだそうです。
第6話の気になるメニュー
タルト・タタン:
「りんご」が主役のフランスの伝統的なお菓子。タタン姉妹の失敗から生まれたレシピなのだという。面白い逸話がありそうですよね!
「タルト・タタン」は原作本のタイトルに出てきますし、印象に残るメニュー。小説を読んだ時に、上下をひっくり返してから盛り付けるというところに、非常に興味を持ちました。
型の中でバターと砂糖を弱火で加熱し、そこへりんごを敷きつめて、その上からタルト生地をかぶせて焼き、焼きあがったら、型からひっくり返して、りんごの部分を上にして食べるのだそう。りんごにまぶした砂糖の効果で、りんごがキャラメリゼされて、普通のりんごのタルトよりも美味しかった!という結果オーライな感じで生まれたレシピなのだそうです。
ぜひ一度食してみたいものです!
第7話の気になるメニュー
タルタルステーキ:牛肉を細かくたたいて、生で食べる料理。モンゴルなどの騎馬民族のイメージでしたが、フランスの伝統料理のひとつで、フランスのビストロなどでは定番のメニューとなっていることが多いのだそうです。
意外!
セレン・鉄・亜鉛・ビタミンB12・ビタミンK・ビオチンなどの栄養素が豊富に含まれているそうなので、鮮度が高くて安全に調理された場合であれば、よさそうですね。
第8話の気になるメニュー
ブリオッシュ・サンジュニ:
フランスの東部、イタリア・スイスとの国境沿いにあるサヴォワ地方のバターたっぷりのパン、ブリオッシュのこと。サンジュニというのは、サヴォワ地方のサン ジュニ シュール ギエールという町の名前です。
ブリオッシュ・サンジュニはピンク色に染めたプラリネをたくさんトッピングしています。プラリネというのはチョコレートの名前でよく聞きますが、アーモンドなどのナッツに溶かした砂糖をまぶして砕いたものです。
物語では、ブリオッシュ・サンジュニにまつわる聖アガタの伝説が、謎解きのヒントになるのですが、全然知りませんでした。そんな残酷な物語・・・というか残酷な仕打ちから不死身でよみがえった女性の話があったとは・・・。伝説の詳細はドラマを見てのお楽しみということで省きます。
第9話(最終回)の気になるメニュー
牛肉のドーブ:
キャセロール・ドゥ・テールという煮込み用の素焼きの土鍋(ドーブ鍋)を使った、牛肉の煮込み料理。プロヴァンス地方の伝統的な家庭料理でオリーブ、にんにく、トマト、ハーブや果物等と一緒にぐつぐつじっくり火を入れるのだそう。
三船シェフのお父さんも料理人だったそうで、この牛肉のドーブが得意。その味に近づきたいと修業を重ねて来たわけで。最終回では、三船シェフのお父さんが登場するんですよ。このドラマのクライマックスはぜひ本編を見てほしいです。
#シェフは名探偵