あの、光源氏が戻って来た!
ドラマ「いいね!光源氏くん」の-シーズン2-が2021年4月~7月、NHKで放送されました。そもそも実在の人物ではない光源氏が現代にタイムスリップしてきたという、前代未聞の設定。シーズン1も見てましたけど、荒唐無稽な設定にもかかわらず楽しく見られたんですよね。
実際、藤原道長が現代の庶民の家にタイムスリップしてきても、ドラマにしづらいし…(どうやって娘を入内させるのかって相談されてもね)。どういうキャラなのか、どういう人生を送ったのかが知れ渡っているという点では、光くんは平安時代では他の追随を許さない人物(架空ですが)ではありますよね。
光の君を演じる千葉雄大は、烏帽子(光くんとしてはどうしてもかぶっていないとダメらしい)とパーカー姿という今までにないファッション で現代の街を歩くけど、不思議とロケ地の喫茶店などに調和していくのです。
見ているこっちも、千葉雄大が打ち出す新たな光源氏像にすっかり馴染んでしまう。
美味しい抹茶ラテに感動して和歌を詠んだりするところも、ゆるーく、ほほえましく、癖になるドラマでした。ゆえに、シーズン2が作られるのも当然と言えば当然ですね。
頭中将(桐山漣)までもが、タイムスリップして来て、しっかり現代ではホストとして生活しているという・・・まあ、そういう世界観のドラマです。
光源氏が転がり込んできた部屋の主の会社員女子・沙織は伊藤紗莉が好演しています。沙織は、シーズン1ではなんとか光くんを平安時代に返そうと努力するのですが、タイムスリップに成功したと思いきや、数か月後の東京に戻ってきてしまった光くんをやはり受け入れるってところで終わっていたはず。
今回は、もはや帰る気をなくした光くんとこの先どうしようかと悩み(恋人とも言い切れない居候なので)、紫の上までもが現代に来ているらしいと分かり……
(この先ネタバレあり)
妻がいる人とは恋愛できないと思う沙織は、光君を失うかもしれないと悩むのですが、意を決して光くんや頭中将と一緒に、紫さんに会いに行くと(紫さんは和歌の先生をしていたので)、紫は紫でも紫式部(壇蜜)さんだったという展開…。いつも想像の斜め上をいくこのドラマ。作者はともかくなぜ登場人物が実体化したのかよくわからない。
わからないが、作者が言うには、「平安には平安の光の君がいるのよ、だから、残りたかったら残っていいのよ~」とのことなので、光くんは安心して現代に生きようと思えるようになる。
といっても生活力がないわけだが…肝のすわった沙織さんなら、きっと光くんと仲良くやっていけるはず…と思わせるエンディングでした。仕事でウエディングドレスを着た沙織と光源氏のツーショットも見られたし、視聴者は満足しましたよ。
ゆる~い光源氏くんになりきっていた千葉雄大に拍手!シーズン3もまだまだエピソードありそうですよね?あればきっと大歓迎されると思いますよ。