海辺から半歩下がって綴る《ドラマ・映画の話》

海辺でのんびりするのも、本もドラマも映画も好き!つまらなくても、面白くても、見たままログ。

千鳥 相席食堂 SP M1ファイナリスト総出演 感想

2020年M1のファイナリストが地元ロケ 

 たいがい、私もM1グランプリ見てますが、普段の彼らを知らないのです。どういうコンビなのかとか、ほとんど知らずにあの決勝のネタで、初めて知ったコンビも多く、知ってても、ネタ以外は知らないのです。なのでロケの対決というのは興味深いと見てみました。

 相席食堂とは、ロケの達人の千鳥がほかの芸人のロケ(他人と相席する)にツッコミを入れる番組。今回はそのスペシャル(2021年2月2日放送)M1芸人のロケ力(リョク)の判定を千鳥が出すというので私も勝手に点をつけてみました。

 

おそらく笑みくじによるM1決勝の時のネタ見せ順でのロケビデオ放送。

トップバッターはインディアンズ。明るい方の田渕さんの地元たつの市から。

分かったこと:目立たない相方のきむ氏が、ハーモニカが得意。きむ氏のお父さんがハーモニカ日本一位。

ロケの評価(一視聴者の感想です):68点 やや固い?

見どころ:田淵さんの手紙に、お父さんが感動するシーン。

 

2番手の東京ホテイソンは備中神楽が有名な岡山の町から。

分かったこと:ツッコミのタケル氏のやや大げさな節回しは神楽から来てたんだって。

ロケの評価(一視聴者の感想です):70点 なんだろう、まだまだ固苦しいのかな。

見どころ:お父さんが非常に明るい人で、ノリノリ。

 

 3番手はニューヨーク。屋敷さんの故郷の三重県の浜辺からスタートして、なつかしのラーメンを食べて屋敷さんのお母さんのやっているカラオケ店へ。

分かったこと:屋敷さんのお母さんは空手の世界2位の実力者。

ロケの評価(一視聴者の感想です):95点 ロケの完成度の高さがすごくて、ものすごい見やすい。相方の嶋佐さんも自然。

見どころ:ご近所のおじいさんの前でネタをやったシーンは意外な笑いになり、見どころ満載で好感度上がりました。

 

4番手は見取り図。盛山さんの地元堺市の公園からスタート。コワモテの盛山さんいきなり美容院に入り、頭に筋の入ったような編み込みの髪型に。

分かったこと:編み込みはコーンロウという。1本800円くらいらしい。

ロケの評価(一視聴者の感想です):98点

カットが変わると相方のリリーもコーンロウに編み込んでいる・・・など、ネタを入念に仕込んでいるため、自然とは逆の作りこんだ面白さがあった。

見どころ:中学の恩師の先生と良い会話して、過去の写真がインサートされると、盛山さんその当時もコーンロウ!笑。

 

 5番手はおいでやすこが。古賀さんは久留米の人。

分かったこと:古賀さんのおじいさんは立派な居酒屋を経営している

ロケの評価(一視聴者の感想です):70点 相席した相手のお年寄りとの相性が悪かったですよね・・・明らかに・・・でもそれがリアルでよかったですよ?

見どころ:ネタを見せても話が弾まない。そのまま終了…というのが面白い〜。

 

6番手、マジカルラブリーは愛知しんしろ市から。村上サンの地元。

分かったこと:村上サンの実家は「鈴木さん」だった。村上は芸名らしいです。

ロケの評価(一視聴者の感想です):50点 朝挨拶したと思いきや、次のシーンは夜だった!野田さん何をなさった?

見どころ:村上サンの実家のおふくろの味が「あんかけスパゲティ海老フライのせ」!愛知らしい?!

 

7番手、オズワルドは畠中サンの地元函館から。

分かったこと:畠中サンは実家に芸人になると言わずに上京していた。

ロケの評価(一視聴者の感想です):80点

見どころ:函館はマイナス8度だったのに相方の伊藤サンと一緒に雪原で水着になったり頑張っていた。畠中サンの実家でのシーンはわりとドキュメンタリーフィルム感があり、シリアス。

 

8番手、アキナは山名サンの地元、滋賀県東近江から。

分かったこと:千鳥からのエールが随所に感じられた。先輩に可愛がられている!

ロケの評価(一視聴者の感想です):70点 なにかスパイスが足りないような?

見どころ:お母さんも優しくて、シンプルなお粥を出してくれるような、素の姿がよい。

 

9番手、錦鯉は長谷川さんの地元札幌から。

分かったこと:この2人はテレビ映えするかもね。おじさんだけど、おバカさが品があるうちは大丈夫なんでは?

ロケの評価(一視聴者の感想です):80点 自然体だった。

見どころ:長谷川さんがお母さんに2千円返すところ。ようやくブレイクの兆しが見えている。これからもっと出るでしょう!頑張って2万円くらいは返して!

 

ラストはウエストランド、井口さんと河本さんの地元津山市から。

分かったこと:2人は同級生。

ロケの評価(一視聴者の感想です):68点 仲良さそうなのでよかった。二人の名前覚えました。

見どころ:コンビ名の由来となった店が更地になっていた。

 

結果は!

千鳥の出した結果は「オズワルド」1位。理由はご先祖のお化けも応援していた・・・というもの。(実際は奥の暗がりにおじいさんかだれかがいらっしゃったらしい)

 

私の中では「見取り図」と「ニューヨーク」が好印象でした!

皆さんの今後の活躍を期待してます。

 

ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ ガンバレ人類 新春スペシャル」感想

2021新春特番で「逃げ恥」が帰って来た

 いやあ、あの二人、結婚した後どうしているかなって思ってた。みくり(ガッキー)とヒラマサ(星野源)さんのことです。今回、あきらかになったのは・・・(ネタバレ)

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みくりは就職 ⇒ ヒラマサさん転職して仕事順調 ⇒ 引っ越しもした  

ということで共働きになっていたそうで、まずは安泰ですよね。

しかし、この二人、籍とかどうしていくのか・・・それが今回描かれます。

みくりご懐妊 ⇒ 話し合いでヒラマサさんの姓を名乗ることに ⇒ みくりつわりでダウン ⇒ 職場にいろいろ言われながらも産休・育休をトル ⇒ ヒラマサもなんやかんや言われながらも育休トル ⇒ 姓の変更に関する手続きをヒラマサがやる

⇒ 無事に出産 ⇒ コロナ禍で実家の手も借りれないので二人で頑張っている

 

ということらしいです。

 

ここでのポイント!

みくりが就職してたことが大きいです。そもそも職がなかったんじゃないのか?だから偽装結婚までしてヒラマサさんの家事を請け負っていたんですよね。もし先に仕事が見つかってたら結婚しなかったんじゃないのか?と思えます。

なので、「みくりが非正規雇用の身で妊娠したらどうなってたか」とか、そういうもっと厳しい現実のなかで二人が解決策を見出していくという方がもっと「逃げ恥」らしい気がしてしまいました。

多分、「みくり失職 ⇒ ヒラマサも強気で育休をとれず、ワンオペ育児 ⇒ みくりやつれる ⇒ 生活に余裕なくヒラマサとも喧嘩 ⇒ 離婚の危機」という展開も考えられましたよ。

ここにさらに「コロナ禍」が加わって・・病院を転院させられるみくり・・・とか、リモートワークなので結構ヒラマサさんも家で育児も一緒にできてよかったね、とか、そういうのが加わってくると、現実に則してきて、社会派ドラマっぽかったかもですね。そういう光景も、見たかったかもなあ。

子育てはその後も大変だよ

はっきりいって、出産までのてんやわんやは、生まれてからのてんやわんやに比べれば全然かわいいものなので、この後の生活も描いてほしいけど、そこでは、やはりみくりは非正規雇用だったり、なにか不安定な感じで、保活も一苦労・・・というのがしっくりくるのですが。それで、なんだろうリモートワークで何かヒット企画を出して収入を得たりして、共働きでヒラマサさんと一緒に子育てする姿とかを書いてほしいなあ。

 

子育ては大変なんですよね。だから、ある程度日本の労働者に余裕っていうか、余力がないとだめって思います。普通の人が楽に子供を養えるようにしないと・・・。時間的にも資金的にも余力が必要だということを強く訴えたい。

じゃないと日本人いなくなってしまいませんか?なんて・・・。地球では人口増えているんですよね。だから少子化でもいいっていう人もいるけど、やはり日本の子どもがある程度ちゃんと生まれて育っていくと、血筋的なものも文化的なものも継承されますし、大事ですよね。税金は、本当に日本の庶民のために使われているのかしら?日本の未来のためになっているのかしら。(なんで私たちこんなに貧しいの?)

いろいろ考えさせられる作品でしたね。

それでなんだかんだ言って、石田ゆり子藤井隆古田新太、大谷亮平・・・などなど「逃げ恥」のメンバーのその後も分かって嬉しかったし。次もまたやってほしいです!

 

追記:この特番をきっかけに星野源さん、新垣結衣さんが結婚!おめでとうございます。

いや〜でも、続編逆にやりにくくないですか?もしかしたら、もっとリアルなシーンが増えていくかも?!

紅白歌合戦2020感想

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紅白歌合戦NHK2020

無事終わり、新年が明けて、お正月気分の最中に緊急事態宣言再び。もう年末が遠い昔のようですがここで振りかえりたいと思います。

珍しく紅組の優勝

 無観客のホールは初めてでしたが、ホール、スタジオ、ロケからの中継を組み合わせて、違和感なく楽しめた感じ。

でも誰が収録で誰がライブなのか、はっきりしなくてモヤモヤしました。

最後松田聖子石川さゆりMISIAとたたみかけた紅組が久しぶりに極端に点差を付けて勝ちました。1人複数票を持つデジタル集計のせいかしら?嵐の最後なのに白のトリではなかったせいかなぁ。いろいろ事情があるんだろうけど、トリにライブで歌えば、かなり違っただろうね。

やはり紅組大トリ、MISIAが歌い上げましたからね。その勢いで…かな。野鳥の会が数える楽しさがなかったのは残念。

ムトゥー踊るマハラジャにテレビのチャンネルを奪われて、出だしを見られず…お気に入りのmiletを見逃したりしました。

 

なので後半の記憶に残った歌手の皆さんを書き残す事にします。

 ベストパフォーマンスを勝手に順位付けして、あげていきます!

1 玉置浩二 田園

いや〜なんか画面が濃かった。オーケストラとの相性もよかった。生きていいんだ!と励まされましたよね。

2 Superfly 愛をこめて花束を

これもオーケストラをバックに、歌い上げてて、よかった。ってことはオーケストラのスタジオが有利なのか?

3 YOASOBI   夜に駆ける

TV初。すごいよかった。カメラワークもロケ地も。

4 Mr.Children  Documentary film

バンドっていいよね〜と。アナログのかっこよさ。知らない曲だったけど、聴かせてくれるなぁ。桜井さんの声は良い。

5 松田聖子 瑠璃色の地球

野口さんからのコメントのあと聞くと良さが増した。今回とても良かったです。

6  松任谷由実 & スモール3  守ってあげたい

やはりいい曲ですね。あと爆笑問題の田中さん達、結構上手い。その芸人3人を引き連れててもクオリティー高いユーミンの抱擁力はすごい。

7 Official髭男dism   I LOVE

 いい曲です。

8 NiziU  Make you happy

2020年ブレイクしたものね。

9 瑛人 香水

同じく、この歌も2020年は外せない。歌詞のブランド名も省かれずシンプルに歌うのも良かったよね。

 

これ以外にも、皆さんよかったです。郷ひろみ筒美京平メドレーとかJUJU さんの「やさしさで溢れるように」、石川さゆり天城越え」も、LiSAのスペシャルメドレー、あいみょん「裸の心」なども心に残りましたね。

けん玉成功というのもなぜか盛り上がってましたし。サザンの桑田さんのにメッセージも面白く見ましたし、GReeeeNとかも今らしい演出で。

まとめ

司会のウッチャン大泉洋二階堂ふみもバランスよくて、楽しめました。

二階堂ふみ、思った通り、きっちりこなしてました。女優としてはなかなかの出来。仲間由紀恵さんの時が一番とは思うけど、若いのにしっかりしてるなぁ。

なんとなく収録有利のような感想になってしまったのですが、ホールでライブで!というのが基本だと思うので、今年はまたライブ感あふれる紅白ができるといいですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

映画「ラストレター」岩井俊二作品:霊界からの手紙が起こす奇跡

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「ラストレター」は見よう!

 岩井俊二監督の映画「ラストレター」(2020年作品)よかったです。岩井組のカラーが出演者に表れています。

・松たかこ

庵野秀明

中山美穂

豊川悦司

……いいよね〜!

それにプラスして、

福山雅治

広瀬すず

神木隆之介

・森 七菜

……ですもんね。

これ以上ない!という布陣。

岩井監督は、庵野秀明の実写映画「式日」で俳優として監督役を自然体で演じており、その時の恩返しのように、庵野監督も松たかこさんの夫という重要な役を引き受けたのではないでしょうか?

新世紀エヴァンゲリオン」の新作劇場版「シン・エヴァ」の公開も話題となっている庵野監督に、「もののけ漫画を描いている漫画家」…という設定がぴったりでしたし、妻(松たかこ)のスマホに表示された妻の初恋の男(福山雅治)からのメッセージを見てしまい、嫉妬して風呂にスマホを投げ込むという大事なシーンをとても上手に演じてます。

 

四月物語」や「Love Letter」を好きなら、絶対観るべき!

松たかこ演じる裕里(ゆうり)の姉・未咲(みさき)の死で、傷ついた家族や元恋人たちの心が、時空を超えて、修復される感じ。

岩井監督ならではの美しい映像と脚本のマジカルなシンクロのハーモニー。堪能しました。

過去の自分と現在が表裏一体な世界

(以下、感想とともにネタバレありです)

松たかこ演じる裕里の高校生時代を森七菜、亡くなった姉の未咲の高校生時代を広瀬すず福山雅治演じる、作家の鏡史郎の高校生時代を神木隆之介が演じてます。

 3人は同じ高校に通っていて、妹の裕里は生物部で鏡史郎と先輩・後輩の関係。姉の未咲は生徒会の会長を務める優等生で、鏡史郎と同じ学年で同じクラス。鏡史郎は未咲に恋しているけれど、その時書いたラブレターは裕里が受け取るだけ受け取って姉に渡していなかったので、実は未咲には読んでもらえなかったということがあったんですよね。結局それがバレて、裕里は鏡史郎が好きだと伝えるのだけど…。

森七菜と神木隆之介広瀬すず

3人の三角関係が、みずみずしく描かれます。

そして、現在……。

庵野秀明演じる岸部宗二郎と裕里夫妻の娘、颯香(ふうか)を、再び森七菜が、姉の未咲の娘、遠野鮎美(あゆみ)を再び広瀬すず、が演じています。

亡くなった姉・未咲のふりをする裕里と裕里の初恋の人である鏡史郎は、高校同窓会で25年ぶりに再会し、いろいろやり取りしている途中で裕里のスマホが水没したので、(やりとりが途中のままでは・・・という気持ちから)裕里は、未咲の名前で鏡史郎に、住所を書かずに手紙を書いたのです。(返事はもらわないつもりで)

鏡史郎は未咲の実家の住所がわかっていたので、そちらの方に返事を出しました。その手紙を颯香と鮎美のふたりが受け取って、未咲の名前で返事を出します。

一方で、裕里は、ご近所の(義理の母の学生時代の)先生の家から、さらに手紙を送ったりしてて、(なぜその家に居たのかについてはいろいろ事情があるんだけど、はしょります)しかも封筒には、先生の家の住所を書いて送ったわけで・・・。

つまり、鏡史郎のところには、明らかに違う二種類の筆跡の「未咲」の手紙が、別々の住所から送られてきて。もう誰と文通しているのか、わけがわからない感じに。

鏡史郎は、久々に宮城県の母校に行ってみるという行動に出るんですよね。そこで偶然、颯香と鮎美が犬を連れて散歩しているのを見かける。

その完璧な映像・・・岩井ワールド。

デジャブを覚えたというか過去に迷い込んだような感覚に陥ったのではないでしょうか?自分だけがおじさんになって、未咲と裕里はあの頃のまま、思い出の高校にいる……。不思議な感覚……。見ただけで、すべてが腑に落ちるというか。

悪い男とつきあっても平気な中山美穂

成長してからの未咲は、映画には登場しません。

とはいえ、高校卒業後、どうしていたかということは、語られています。

大学で鏡史郎とつきあった期間が一時期があり、別れた後、大学でかなり怪しいやつと思われていた豊川悦司演じる阿藤という男と恋に落ち、周囲の反対を押し切って駆け落ちしたらしいです。家族との連絡も絶って、幸せに暮らしていたのかと思いきや、あるとき音信不通だった実家に未咲の娘・鮎美からのSOSが来る。鮎美には暴力の跡が………。阿藤は行方をくらましてしまい、二人は実家にかくまわれることになったのですが、未咲は心を病んでしまったのか、その後自ら命を絶ってしまったという…。

阿藤ってどんなに悪い男なのだろうと思うけど・・・。

二種類の未咲手紙の謎を解くため、鏡史郎は、未咲が以前住んでいたアパートに向かいます。すると、当の阿藤は、同じアパートでしれっと別の女性(中山美穂)と暮らしていたんですよね、いたって平和に……。このショックは結構大きい。

どういう人格の人なのか複雑すぎて分からないけど、誰かにだけ暴力的で、別の人には普通の夫になれる人………阿藤。

もしかしたら、暴力的な男が相手でも、そうさせないだけの何かを持っている女性がいるってことなのか。中山美穂は確かに、さばさばしていて、きっぱりしていて、すでにもう人生を悟ったようなそんな雰囲気をうまく演じていたけれど。

豊川悦司中山美穂

確かに迫力あるバランスだわ。

豊川悦司、演技の幅が広いなあ。繊細な芸術家っぽい役もいいけど炭鉱の男(「フラガール」)なども行けるし、今回も冷酷ないい加減さがいい感じに板についてました。

小説は「ラブレター」

救いは、いつも裕里が明るいこと。

娘も姪も明るいし。

だから、売れない小説家は、もう過去に立ち止まってはいられないよね。未咲への恋心をラブレターにしたためたように小説を書いて、作家になった鏡史郎は、スランプに陥っていたわけだけど、この事実を乗り越えて、次回作を書くはずだ。

こういうの、岩井監督の人生観なのかな。この映画も誰かへのラブレターなのでしょうか。

ダメな男と駆け落ちするような無謀な女性も、そこでダメでも、最後には幸せになれる……というような、ストーリーもいいと思うんだけど。でも映画監督とかにとっては、きっと、自分が無力だったあまりに、好きな女性を幸せにできなかった……という苦悩が、いい作品を作る原動力になったりするんだろうなあ。(勝手に想像ですけど)

裕里の気持ちも整理できたみたいだし。霊界からの手紙(未咲が出したことになっている)が、関係者に起こした奇跡というか・・・。

映像美と時空を旅する恋心の兼ね合いが、絶妙でした!良き。

 

<作品データ>

2020年・監督、原作、脚本:岩井俊二・撮影監督:神戸千木・美術:都築雄二、倉本愛子・音楽:小林武史

福山雅治はこの作品と「マチネのおわりに」での演技を評価され、2020年「第12回TAMA映画賞」の最優秀男優賞を受賞。受賞コメントの中で「高校生時代を演じてくれた神木くんのおかげです」と語っていました。

追記:森 七菜は2021月3月、日本アカデミー賞、新人俳優賞を受賞しました。

#リモラブ:波瑠主演ドラマ 感想

この感想はストーリーの結末などに触れています。ネタバレアリ

 

新型コロナのステイホーム期間に芽生えた恋

リモラブ、2020年12月23日、最終回放送終了。

このドラマの終わる頃には、もうちょいコロナ関連収まっているかと思いきやまだまだな感じですね。

 

さて、主演の波瑠という女優さんはショートカットがトレードマーク。知的な雰囲気で、優しげ。手術をバリバリやるタイプでない、企業に常駐してる産業医の役はぴったりです。

今回波瑠の演じる、産業医の美々先生は、お一人様生活を満喫してますが、ステイホーム期間に、素性を知らないけれど、ゲーム内でチャットをしていて、気が合うと感じた人を好きになる。

毎日の通勤も止められ、ライブも演劇もスポーツの試合もレストランでの会食も出来なかったあの時期に始まった距離感ある恋愛。リモートラブで、リモラブ。

 

仕事の後に気楽に楽しめるラブコメという感じでしたね。

 

もともと美々先生はプライドが高いタイプで、簡単に恋には落ちない。

だから、遠距離的な顔も知らないリモートの相手とゆっくり、ゆっくり恋心を育むのが合っている。

 

だけど、リモートラブの相手の男性が非常に鈍感で、スローテンポなので、なかなか人を好きにならない美々先生の恋心が追い越してしまう。そこが笑える。彼は、彼女もいたし(のちに別れる)、茶飲み友達の感覚のリモートの関係に満足していたので、恋が始まり、成就するまでのすったもんだがある。それがコミカルに描かれていくんです。

 

え?加瀬亮じゃない?

 

美々先生が好きになった人のチャット名は「檸檬」で、美々先生は「草もち」というチャット名なんだけど、そのセンスはおいといて、その檸檬さんは、同じ会社の人事部の青林という人だったのです。でも、青林は美々先生のタイプではないのです。

見た目や仕事上で知ってる性格などが。

美々先生の付けたあだ名は、キャベツ。惜しいけど、檸檬とキャベツは違うよね。

 

その青林くんがいつもマスクをしてるせいもあって、誰が演じているのか、全然分かってなかったの、私だけ?!

初め、加瀬亮だと思ってだんだけど、全然別人でした!

嘘でしょ、確かに年齢的にはちょい若めだけど、演技とか声も、加瀬亮にそっくりじゃない?マスク外したシーンが増えて、違う?となってきたけども。

美々先生が、最初、檸檬を別の人だと思い込んで、「私が草もちです!」と名乗りでたのを笑えません。

 

加瀬亮が好きなんですよ。そもそも。マスクのせいでとんだ勘違いだわ。

 檸檬だと思ってたら、キャベツだったショックと似てる…と思う。

だけど、青林役の俳優さんのことも、嫌いではないよ。似てるのも、本人に罪はない。

今は、松下洸平っていう名前も覚えましたし。でもそういう視聴者は他にもいたんじゃないかな?

今年名前を広く知られるようになった俳優さんですよね。「スカーレット」(NHK朝ドラ・2019年)にも出ていたけれども、その時には顔は売れたけれど、名前は浸透していなかったから。ああ、その時も、加瀬亮さんに似てるって思ったんですよね、そういえば!ようやく今回つながりました。

 

変な名前の登場人物

このドラマ、役名が変。そのせいで、変なドラマだと思ってしまったくらい登場人物にレアな苗字が多い。

美々っていうのも、あんまりないですし。大桜という苗字もレアですし。青林もね。このお話は、リアリティがないですよ!というための印なのかな。

「五文字くん」とか出てくるのですが、モヤモヤする名前です。はっきり言いなよ!と思う。五文字って何を表してるのだろうか。「ありがとう」とか?

そーゆーネーミングセンスは、このドラマのクセが強すぎるところかな。

 

なぜ美々先生は特別?

美々先生の助手の人も、先輩の先生も、親しい人は皆んな美々先生が、真面目過ぎるがゆえに、モテない事を心配していて、何かと協力しようとする。

チャットで出会った彼との仲をとり持とうと協力するし、別の人を檸檬だと思って自分から声をかけたりして、うまくいかないのをみて、何かと「可哀そうに」と思っている。

美々先生、周囲から何かと「可哀そうに」と思われてるって、結構つらいよね…。

 

不器用な美々先生は、他部署では、笑顔を見せない怖い先生だと思われているけれど、医務室では大切にされてる。それが、なんかこのドラマのミソなんじゃないだろうか。

 

青林も仕事のできない人扱いをされていたが、今の人事部では、大切にされてる。外国語を何ヵ国語も操る多彩な面もある人なのだ。

 

真面目ゆえにダメだと言われることもあるが、有能な面もある2人は、どこか似てる。

 

最近は生産性を重視する傾向だけど、会社に入ったら、そういう優しい扱いがあるという事を感じさせる話でもある。出勤できない期間にやる気を失っている新入社員に、平日有給で温泉旅行を勧めるような、そんな会社なのだ。ぬるい。

 

それが、非正規の労働者や厳しい職場で働いている人には、お気楽でムカつくところかもしれない。

世の中、でもこれがリアルなのかもしれません。コロナ禍のなか、不況が関係ない職場もあるっていう。大変ではあるけれど、追い詰められてはない・・・というか。

大変な人たちからみると、ユートピアの中の人たちですよね。

あ、でもついに最終回で、美々先生にリストラ話が浮上する。

そういうときでも、署名運動をしてまで、ひきとめようと動いてくれる人がいる。美々先生は、特別な人なんだなあ。

この細やかに気にかけるということを、非正規やハードな職場に働く人たちにも行っていこうよ。そういう日本であってほしいです。

 

キャラを料理に例えると・・・

このドラマでは、美々先生は心の中で人に食べ物のあだなをつけていた。最終回で美々先生は、そういう自分を反省してましたけど。

自分を「フランス料理」と思ってる美々先生は、青林くんを「付け合わせのキャベツ」とたとえていました。

しかし、青林くんのキャベツ感はOKだが、フランス料理のこってりとした雰囲気が、実は波留からは漂ってこないんです。

 

それが、もうひとつのこのドラマの問題かも。

ひとつは変な名前。もうひとつは「フランス料理」のこってり感と不器用な「可哀そう」感の両立は、波留にはちょっと難しすぎたってこと。どちらかというと波留は「可哀そう」よりかな。料理でいえば、「懐石」みたいなあっさり感。医師としてはぴったりなんだけどね。

 

たとえばドラマ「結婚できない男」の阿部寛は、こってりとした高級感と、もてない不器用さが完璧に両立できていた。さすが阿部寛ですね。

まあでも、設定として「クラシック音楽を大音量で聞く」とか洋風な趣味嗜好を随所に感じさせてたしね。

 

やはり、脚本の問題?だって、チャット名の「草もち」というのも食べ物!イメージが重なるとワケが分からなくなる。当然、波瑠=草もちの方がフランス料理よりは近いからね。

あとは美術とかも。だって、部屋の雰囲気とかフランス感ないし、自炊でこってりソースの肉料理を食べるとかそういうシーンがないじゃない?ワインを愛でる雰囲気もないし、服装もあっさり。どこにも美々先生が「フレンチのフルコース」的な人だとおもわせる要素がなくない?

 

もしかして、最初は「石原さとみ」(うるさくてわがままな感じがうまい)とか「北川景子」(キラキラした華のある容姿と圧力のあるオーラ)のようなわりと、フランス料理を感じさせるタイプを想定して、脚本や美術・スタイリストなどの工夫はなくてもいいっていう想定していたのでしょうか。

でも、波留でよかったと思う点も多かったですよ。波留にあわせて「懐石料理」という設定に変えるとよかったかも?

 

リモートとリアル双方のコミュニケーションを!

 2020年、人と距離をとれと言われまくっている私たち。

それでも、このドラマのようにリモートの中から本当の愛の芽が芽生えることもあったよ、と言えるといいですよね。

いいと思うのは、結局はリアルに会って、喧嘩やすれ違いがあっても、それを乗り越えて美々先生と青林が距離を縮めていくところ。やっぱり、リモートだけじゃ、分からないし、結婚も決断できないですよね。

気になる人とのコミュニケーションをこの状況下でもみんなうまくやっていこう!できればリアルに会いながら・・・ね、と感じたドラマでした。

M1グランプリ 2020 感想

漫才のマイク

M1グランプリ毎年観てますよ〜

 毎年観てるんですよね。で、今年、コロナで劇場が休んでる期間もあり、無名の人材は出にくい状況だったのかなとは思う。

 

だから、いつになく、実力派が揃ってた。

 

ほら、毎年なに?みたいなノリで来たようなグループがひとつ、2つは割り込みしてるようなイメージなんですけど、それがなかった。

 

ある意味、あんまり華がないコンビばかりだったような。

優勝は、マジカルラブリー

 3年前の2017年にM1に出たときは会場の空気に弾かれてましたよね。笑いをつかみそこねてた。上沼さんでなくても、クスリともしない人多かったんじゃないかな。

 

それがリベンジを果たしたという。おめでとうございます。

 

今年のネタも、やはりちょっと私にはハマりませんでしたけど、ダテでは優勝しないんで、今年らしさを掴んでいたのでは。なんていうのかな。メジャーな道を外してはいないっていう。

 

というか、マジカルラブリーは、らしさを曲げない姿勢が感じられました。不屈。

そのらしさの良いところがいま一つまだ見えてこないんですけど、フクガオ系ではあるので、それを活かしてテレビ映えするといいですよね。

 

もともとポテンシャルのあるコンビがコロナ禍を味方につけてチャンスを掴んだってことですよね。爆発力のある笑いをこれからも届けてください!

 

出演者を勝手にランキング

番組に出演した決勝勝ち残り9組をファイナリストと言います。プラス敗者復活1組の計10組が、優勝を争うわけです。

ネタ見せ順はくじ引きで決まります。

ネタ見せ順に個人的に採点したところ、以下の結果に。

 

4位■インディアンズ   ネタ:元ヤンキーだった自慢

明るい笑い!面白い〜。可愛げがある。

 

10位■東京ホテイソン   ネタ:言葉遊び的なナゾとき

ナゾときが分かりにくいのかな。笑えなかった。あとは声のバランスが良くない。

 

5位■ニューヨーク   ネタ:細かい違法行為

安定感はある。さりげなく悪い雰囲気。それが個性に。覚えやすい。

 

2位■見取り図 ネタ:タレントとマネージャー 

アホな新マネージャーの話。面白い。声と見た目は苦手でしたけど、うまい。

 

1位■おいでやすこが  ネタ:聞いたことあるようなないような歌 

歌ネタ。右の人のツッコミ激しい!けどそれがぴったりなの。歌ネタが強いから。笑える!こがさんの声が意外性。表情がいい。

 

5位■マジカルラブリー ネタ:フランス料理 

ごめん〜。野田さんは覚えやすいし、キャラもたっている。でも、動きで笑わすのに、動きの意味がわかりにくい。マイムが粗雑?

 

7位■オズワルド ネタ:改名したい 

面白いですよね。個性はハッキリしてる。M1の舞台に来てるんですから、立派です。

 

8位■アキナ ネタ:彼女にいいとこ見せたい 

面白いよ!けどM1ぽくないんでしょうか。順位は低くなってしまいました。

 

9位■錦鯉  ネタ:パチンコ台 

笑いましたけど。好きじゃない。ごめん。右の人、安倍元首相の物まねしていましたか?

 

3位■ウエストランド ネタ:婚活したって無駄 

今回初めて知った。面白い。婚活アプリしたって、どうせもてない!という主張がツボに入った。パワーワードが印象的だった。悪口漫才師っていうけど、よかった。

 

以上です。

ということは個人的には最終決勝には

・見取り図

・おいでやすこが

ウエストランド

の3組が行くというのが採点結果だったわけね。なるほど。審査と感想が違うのはマジカルラブリーだけか。ていうか、それが優勝したのか。

まあ、このようにズレがあるのもM1グランプリらしさです。へえ、なんで?と思っても、その後名実ともに王者らしく成長することも多い賞なので、余白というか伸びしろ込みの採点をしてるんでしょうね、プロは。

 

一番推したコンビが優勝しない?

 例えば去年のかまいたち、その前の和牛とか、ジャルジャルも、ハライチもね。私が推したコンビは優勝しないかもしれない。

なので、ホントお笑いは、万人受けするってことはないよね。優勝って時の運も大きい。ネタをやった順番とかね。

けど、9組に残ったことがすでにすごいし、決勝の3位までに入れば、そのあと売れることも多いし。

昨年のぺこぱなんて、ブームを巻き起こしましたよね。全国的に名が知れ渡るので、良い成績を残すと得るものは大きいです。

 

M1は一時期やってなかったので、その時にピークが来ていたコンビは、優勝杯を手にすることなく売れているはず。

もし当時開催されたならば、グランプリの栄誉にあずかったコンビもいたでしょう。やはり時の運は大きいです。

とはいえ、お笑いのビッグタイトル。お笑い芸人の夢なので、運も含めて存在意義はあります。

ただ、そこで優勝してないコンビも面白いので、自分の感性を信じて、笑いましょう!

M1、2020決勝の2ラウンド目のネタ

では、最後、3組が2ラウンド目でみせたネタと笑いの量(主観)は・・・

・見取り図 「地元」 90/100

・マジカルラブリー 「つり革つかまらない」 80/100

・おいでやすこが 「バースデーソング」  85/100

でした。個人的には「見取り図」が抜いたと感じましたが、優勝はマジカルラブリーに。

総括

今回は、いい方変かもしれませんけど男くさい大会でしたね。なんかムードがね、いつになくM1は笑いの格闘技なんだなあと実感させる大会でした。ちょっと参加者の闘争心が怖いくらいでしたね。マジカルラブリーがそういうものを特に感じさせるんですよね。2ラウンド目に上がる前に、おいでやすこがに対して野田さんが「R1のときのように、ぼっこぼこにする」とか言ってましたし、闘志が半端ない。笑いと言う名のボクシングというか、殴り合ってる感じ。

今までのM1は、そこまでのギラギラ感は感じさせないコンビが多かった(昨年の覇者ミルクボーイとかは無心な感じ)けど、今年は重いものが見えた気が・・・。

敗者復活に残りかけていた「ゆにばーす」がいてくれたら、女子も混じって見た目の印象は違ってたかもしれないですね。(お笑いやっているのは男性ばかりではないっていうのが分かる)敗者復活からいきなりトップバッターで出て来た「インディアンズ」も十分明るかった(花も胸につけてましたし)ですけどね。

とにかく、みなさま、お疲れ様でした!ウエストランド、また見たいです。

連続テレビ小説 ドラマ:「エール」最終回までの感想

ある作曲家の一生

古関裕さんをモデルにした作品。コロナ禍で撮影休止期間もあり、結構再放送しかやっていない期間もありましたが、120回で無事終わりました。

 

東京オリンピックのテーマ曲を作ったところもフィナーレにふさわしいはずだったのに、リアルオリンピックは延期になっちゃって。

なんか私たちの日常の方がドラマみたいでしたよね。のんきにNHKの朝ドラ見るというのも平和あってこそ。

まとまりがありましたね

今回の朝ドラはまとまりがありました。時々、は?という展開になって終わる話もある中、良かったのではと思います。

古関ならぬ古山裕一役の窪田正孝さんの明るい演技が良かった。ホントにモデルの方があんなに落ち着きない感じなのかはわかりませんが。

妻の音役の二階堂ふみさんは反対に落ち着いてますよね。40歳くらいの貫禄あるような気がするから歳とってからの時代でも違和感なかったし、歌も上手だった。

 

役者の敢闘賞

華があって、よかったのは、歌手の伊藤役の山崎育三郎さん。ミュージカル出身の魅せる俳優。役柄にあっていましたよね。

音の母、薬師丸ひろ子さんもよかった。夫なきあともしっかり家を守って。ユニークですてきなお母さんで、印象的でした。

音の妹、梅役の女優さん、知らなかったのですが、森七菜という売り出し中の19歳。現代っ子なんだけど、どこか昭和の香りがする。誰かに似ている…と思わせる不思議な子で、よかったですね。

 

福島の3人の絆

 

このドラマで福島三羽烏という作詞の村野、歌手の伊藤との友情が心に残りました。それぞれが、壁にぶち当たり、もがいて、苦しむわけだけど、それを叱ってくれたり、力になってくれたり…。幼少期からの福島弁で通じ合えて、波長もあう仲間とのつきあいが、大人になってからも続いていくのっていいですよ。福島の言葉が温かく聞こえたな・・・。

 

虚実混ざっても良し

 連続テレビ小説にはたいていモデルがいるけど、本当のことだけでは作られてはいないはず。それでも、こういう作曲家が題材であれば、その歌は残っていて、知られていて、歌のイメージがすでにありますし、わかりやすく、物語が伝えやすくていいですよね。

業績が庶民的で、性格などが分からない人を題材にすると相性がいいな、と思います。

今回も大衆の心をつかむ曲で知られている方だったのでとってもよかったですよね。

 次の「おちょやん」はまた違うタイプの話ですけれど、あまり知らない女優さんの話なので、これはこれで新鮮です。というわけで、きっとまたこの朝の枠のドラマを見続けると思います。